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マークXは本来こうあるべきだったんだ!
GRX120にJZX100のパワーユニットを搭載
チューニング適合度が高い1JZ-GTEエンジンを搭載し、スポーツモデルに負けない戦闘力を誇った歴代ツアラーV。
その後継にあたるマークXは、豪華装備を備えていながら中古車市場では50万円(グレード次第)から手に入るというお値打ち感。
しかし、ラインナップはNAエンジンのみで、トップグレードの3GR-FSEエンジン搭載モデルでもカタログ値256ps程度。エンジンチューニングは現実的でない上、ミッションもATオンリーときている。そう、チューニングベースとしてはかなりハードルが高いモデルなのである。
そこで立ち上がったのが、チューニングショップ“STF”の城崎代表。「駆動方式はFRだし、パワーさえどうにかすれば面白いクルマになるはず!」と、GRX120に1JZ-GTEエンジンの換装に踏み切ったのだ。
「エンジン換装でポイントとなるのが、エンジンやミッションを高さや角度まで適度な位置にレイアウトすること。駆動系(デフなど)との配置角度が大切です。マークXと1JZの組み合わは、位置合わせがすごく良い関係で収まりました。LSDの入ったデフが無加工で流用できたのもラッキーでしたね」と、作業は案外すんなりと進んだそうだ。
なお、1JZは車種によってオイルパンの形状が異なるのだが、今回はJZA80用のオイル溜まりが後ろ側にあるタイプを使用。ゲトラグ6速ミッションに合わせてプロペラシャフトは新規製作したが、デフやドライブシャフトはそのまま流用できるため、スワップの難易度は決して高くないそうだ。
ちなみに、ミッションはJZX100用5速の方が収まりは良いとのこと。元々存在しないサイドブレーキやクラッチペダルは、他車種用を流用して追加している。
搭載した1JZ-GTEにはSTFオリジナルのJZX100用タービンキット『GT600』をインストール。最大ブースト圧1.5キロで約450ps、トルク約60kgmを発揮する。
エンジンマネージメントは、JZX100純正ECUにF-CON Vプロを組み合わせたエアフロレスのDジェトロ制御だ。
ラジエターとエアコンコンデンサーを固定するステーなどは新規製作。前置インタークーラーはHPI製のJZX100用キットを小加工でフィッティング。補機類の位置関係をJZX100から大幅変更することなく装着できてしまうのも、スワップが楽な要素の一つだ。
外装はレーシーな雰囲気とセダンらしい落ち着きをバランスさせたファイナルコネクションのフルエアロを装着。ホイールは19インチのクレンツェ・クリシュナをマッチングしてラグジュアリー感を演出する。
なお、気になる車検問題については、TIC(公認改造登録の専門ショップ)等の力を借りれば公認を取得することも可能とのこと。そう、レース車両ではなく、ストリートチューンドとしてマークXの1JZ仕様を走らせることができるのである。
●取材協力:STF 神奈川県座間市栗原920-6 TEL:046-205-7572
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