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常用9000rpmの超高回転型エンジンで挑む
チューンドi-VTECが見せた底力
名門“スプーン”のデモカーと見間違えてしまいそうなこのFD2型シビックタイプRは、サーキット仕様としてチューニングが進められたオーナー車両だ。
ある時、ふと愛車のトップスピードが気になってスプーン経由でOPTION誌の最高速テストに参加。そこで2.0LのNAとしては驚異的な247.7km/h(GPS型計測機)をマークし、他の参加者を驚かせたのである。
心臓部のK20Aは、スプーンの手により腰下は各パーツの公差を最小限に留めることで精密オーバーホールを実施。そこにEXポート径拡大(42→50φ)を始め、各種加工を施したシリンダーヘッドを組み合わせる。カムはスプーン製(IN253度/12.4mmリフト EX250度/10.8mmリフト)をセット。
排気系は、スプーン4in2&2in1EXマニ→エキゾーストパイプ→テールサイレンサーというレイアウト。高回転のVTECサウンドは快感の一言だ。
ホイール&タイヤは、ボルクレーシングRE30にポテンザRE-11という組み合わせ。足回りは全長調整機能を持つスプーンフルスペックダンパーキットに、フロント16kg/mm、リヤ14kg/mmのハイパコ製スプリングをセットしたサーキット専用セッティングとなる。今回はフロントの車高とトーの調整のみで対応。
インパネ周りは基本ノーマルで、ステアリングとシフトノブがスプーン製に交換される。また、今時珍しいエアコンレス仕様。「だって、サーキット走行にはいらないでしょ?」と、余りにも潔すぎるオーナーに脱帽だ…。
運転席、助手席ともにスプーン製カーボンバケットシートを装着。サーキット走行でのホールド性を大幅に高めると同時に、1脚当たりわずか5.7kgと軽量化にも貢献している。
エクステリアはS-Taiバンパー、カーボンボンネット&トランクリッド、ドライカーボンルーフとスプーン製パーツをフルに装着。目的はもちろん、軽量化による運動性能の向上だ。ちなみに、フロントウインドウにハチマキを巻いていることもあり、よくスプーンのデモカーに間違えられるそうだ。
「駆動系がスプーンの6速クロスに5.063ファイナルの組み合わせだったから、最高速は厳しかったですね。5速200km/hオーバーまでは気持ち良く伸びていってくれたんだけど、6速に入れてからが長かった…。最終的に8500rpmくらいは回ってたと思います」とはオーナー。
加速性能を重視したマシンメイクのため、最高速はあまり期待できない…という読みに対して、250km/hまで後一歩に迫る記録は実に衝撃的だった。ステージを選ばない速さは、まさに生粋のオールラウンダーだ。