「43年落ちのSA22Cでもまだまだ戦える!」25年を費やして育て上げたサーキット仕様

レトロなだけでなく戦闘力も十分!

ロータリーフリークが愛を注ぐ古き良きフルチューン仕様

このSA22Cは、オーナーが25年以上の歳月を費やして進化させている生粋のサーキットスペックだ。

「このクルマを買う前はFC3S乗りだったんです。でも壊してしまって。乗り替えようにも当時(27年前)はFD3SもFC3Sも高くて。それで比較的安かったSA22Cを選びました。チューニングパーツも中古でたくさん流通していて良い時代でしたね」とはオーナー。

ちなみに特徴的なボディカラーは「後輩にホワイトでオールペンしてと頼んだのですが、本人の好きな紫に塗られてしまいまして(笑)。後ろから塗り始めていたので“せめて前だけでも…”と、自分でホワイトに塗ってツートーン仕様になりました」とのこと。

ナンバー無しのサーキット専用機ということで、チューニングはかなり攻めた内容。エンジン本体はFC3Sの13B-TをベースにしたNAペリフェラルポート仕様で、そこにウェーバーの48φキャブを組み合わせて270psを発揮させている。

冷却系はサイズ的にピッタリだったという涙目GDBの純正ラジエターと、FC3S純正のオイルクーラーを流用して強化済みだ。

足回りも流用のオンパレードだ。フロントサスは加工無しで装着可能というR31スカイラインのストラットを移植し、合わせてこれにポン付けできるS13シルビアK’sの純正ブレーキをセットする。

車高調キットは前後ともにビルズのワンオフ車高調(F9.0kg/mm R4.5kg/mm)。レートは柔らかめだが、当時モノのマツダスポーツキットのスタビなどを組み合わせてベストなセッティングを追求しているという。

ホイールはフロントがワークエクイップ03の9.5Jで、リヤが10JのSSRフォーミュラメッシュ。前後ともに極太サイズだが、そこに225/50-15というナローなアドバンA050を合わせているのは「旧車といえば引っ張りタイヤ」というオーナーの拘りによるものだ。

室内はダッシュボードから内装パネルまで全て取り除かれた超レーシング仕様。バルクヘッド付近まで張り巡らされたロールケージは、マツダスポーツキットをベースにバーを追加した19点式のスペシャル。ドアパネルもレーシングカー用のFRP製に交換するなど、徹底した軽量化で車重は870kgまで絞り込まれた。

燃料タンクは純正を廃し、軽量化と重量配分の適正化を考えて安全タンクを助手席位置に移設。リヤゲート内もスペアタイヤ部分を撤去して完全フラット化されている。

トラクションに影響するリヤウイングはフレーム直付けのバーチカルマウント式を採用。これらはARC製ウイングをベースにしたオーナーの自作だ。

「昔ながらの雰囲気だけどそこそこ戦える。そんなテーマで乗っています。これからもこのスタイルを崩さずに長く乗り続けていきたいですね」。

1980年式ということで、すでに生産から43年という年月が経つ個体だが、イベント当日は後継モデルにも全く負けない熱い走りを見せてくれた。まさしくオーナーが掲げるテーマ通りのチューニングカーと言えよう。(取材イベント:ロータリー魂)

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