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若かりし頃に憧れた2T-G搭載車
車齢50年ながらもパーツの入手には不安無し!?
「確か新車は乗り出し95万円くらい。シグマに入社した昭和50年(1975年)の初任給が4万5000円。欲しかったけど、当時は高くて買えんかったな」と、TE27型スプリンタートレノについて語り始めたアイコード鶴田さん。憧れたのは1.6L・DOHCの2T-G型エンジンだった。当時、歳が近くてお金を持っているお客さんがTE27に乗っているのを、うらやましく思っていたという。
そんなTE27を手に入れたのは今年初めのことだった。鶴田さんと同い年のオーナーが新車から乗り続け、これまでディーラーでメンテナンスを受けてきた1台を、「お前に譲るから乗ってくれ」と頼まれた。
現状エキマニのみが交換された排気系チューン仕様で、外装もRSワタナベのエイトスポークを履く以外フルオリジナル。経年劣化が感じられた足回りとステアリング系にはすでに手直しを施し、今はガタが出ているドアヒンジを手配し、固着して動かないキャブの加速ポンプの修理も予定している。
鶴田さんが言う。「始めはパーツを探すのに苦労したけど、ツテが一つできてしまうと、そこからイモヅル式に出てくる。もう50年前のクルマだけど、完調な状態で乗れる環境は整ってると思うよ」とのこと。
メーターはスポーティな6連タイプ。中央の水温/燃料計のコンビメーターを挟んでスピードメーターとタコメーターが配置され、ダッシュボード中央には電流/油温/油圧計が並ぶ。
シートはヘッドレスト一体型のハイバックタイプ。腰ベルトのみの2点式シートベルトに時代を感じる。
アクセルペダルを数回踏み込んでイグニッションキーを捻ればエンジンは一発始動。アイドリングは安定しているし、ラフなアクセル操作をしない限り、息つく素振りも見せない。
860kgの車重に対してカタログ値115psのパワーは十分で、加速感もコーナリングでの身のこなしも軽快のひと言。マスターバックを持たないブレーキだけは注意と慣れが必要だけど、シフトタッチがカッチリしてる5速MTをやりくりしての走りは、50年も前のクルマとはとても思えないほど楽しく、痛快だ。
2T-Gに代えて、1.6LOHVツインキャブ仕様の2T-B型エンジン(105ps/14.0kgm)を搭載したトレノJの姿も。新車価格がトレノより10万円ほど安く、当時ダート系競技のベース車両として人気を集めた。
「面白いもんでTE27を手に入れてから、他のオーナー2~3人からも“クルマを買ってもらえんか?”という話が来とってな。このトレノは、オーナーが“邪魔だから”と言うんで譲ってもらったんよ。そのうちエンジンをオーバーホールして動かそうと思っとる。見た目はトレノと同じだけど、トレノJはオーバーフェンダーがスチール製。トレノはFRP製だったけど、当時はFRPの方が高価だったということやね」と鶴田さん。
鶴田さんが持つのはフジツボ製エキマニ。マフラーも、すでにフジツボ製が手元に届いている。排気系のアップデートを図るべく、あとは交換作業を待つのみだ。
オーナーからリクエストがあることに加え、趣味と実益を兼ねることは確実。となれば、鶴田さん! ここは一つ、アイコードに『TE27部門』を作ってみるのはどうでしょうか!?
●取材協力:アイコード 愛知県豊田市御船町山屋敷135-2 TEL:0565-46-0727
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