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1JZスワップとLINK制御で現代スペックに進化
エアコン&パワステ完備で長距離ドライブにも対応!
マークIIの3代目として、1976年に誕生したのが40系、通称“ブタ目”のマークIIだ。当時の世界的流行を反映したクラシック調フォルムには、4ドアセダンと2ドアハードトップをラインナップ。ミドルアッパー層を狙った高級感とスポーティさは、当時の若者から人気を集め、その後にはグラチャン仕様のベースとしても親しまれた。
そんな40系マークIIの中で4気筒の21R-Uを搭載し、一応はスポーツグレードとして用意されたのがこのGSL。しかし、わずか105psのパワーしかないSOHCシングルキャブのエンジンは、スポーツグレードと名乗るには力不足なのは言うまでもない。
「長らく2ドアハードトップを探していたんですが、コンディションの良い車両をやっと見つけたんです。で、引き取って自走で帰っている最中にエンジンが非力すぎるなと(笑) そのまま工場に入れて、21R-Uを降ろし、1JZ-GEへの積み換えを行ないました」と語るのはこのマークIIのオーナーで、“イザナミ”代表の木村さん。
もちろんノーマルの1JZ-GEをそのままスワップするのではなく、ヘッドに272度のハイカムやチタンリテーナー、強化バルブスプリングを組み込んでブラッシュアップ。快音を求めて等長のEXマニもセットした。
スロットルには海外製のウェーバータイプ6連スロットルキットを導入。旧車らしいエンジンベイを表現したのである。
仕上げはLINKエクストリームによるフルコン制御だ。独立点火でセッティングを行ない、デイリーユースも可能な安心感と旧車らしいサウンド&レスポンスを手に入れている。この辺りの演出は、旧車を得意とするイザナミらしいアプローチだ。
足回りはオリジナルのサスメンバーや調整式ロワアーム、車高調キットをフル投入。また、ステアリングラックはノーマルのボールジョイント式から71系のラック&ピニオンに変更し、安定したステアリングを実現。極限のシャコタン走行を可能にしている。
旧車向けビンテージホイールのレストア&深リムワイドカスタムを得意とするイザナミだけに、足元の拘りもハンパではない。希少価値の高いベルレーシングBRS108の14インチを、フロント9.5J-33&リヤ10J-43へとリバレルし、純正フェンダーにしっかりと収めているのだ。
一方の室内は、ローバックタイプのバケットシートやウッドステアリングを除いてストック状態をキープ。ミッションはギヤ比を適正化するため、100系マークIIから流用した1G用W157をベルハウジング部を加工して搭載する。
「21R-Uエンジンの時と比べれば、現在のパワーは約2倍。エアコンやパワステも完備しているので、遠方のイベントにも快適さをキープしたまま自走で参加しています。この信頼性は、エンジン換装とLINKによるフルコン制御で得られたメリットですね」と、木村さん。
希少なベース車だからこそ、そのボディを生かしてパワーユニット等を刷新。令和となった今ならば、チューニングの選択肢も広くなったので“作りたいクルマが作れる”。これが、今時の旧車の楽しみ方と言って良いだろう。
●取材協力:イザナミ本社 千葉県柏市大青田1512-15/利根ファクトリー 茨城県北相馬郡利根町布川3132 TEL:0297-84-1739
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