「EK9型シビック大覚醒!」テンロクNAの申し子、その魅力は今なお色褪せず

マルチに楽しめるハッチバック×B型のパッケージが魅力

関西の名門“アスラン”が考える令和仕様のEK9!

EF後期からVTEC機構を備えたB型エンジンを投入し、大台とされていたリッター100psを達成したシビック。格上クラスのマシンすら寄せ付けない速さはチューニングの進化とともに研ぎ澄まされていき、EGやEK型は未だ一線級で活躍できるポテンシャルを持っている。

大阪の名門“アスラン”が手掛けたEK9は、そんな素材の良さを存分に味わえる仕様を目指し、ツボを押さえたメイキングが施されたリアルチューンドだ。

心臓部のB16Bエンジンは純正パーツで組み上げられているが、鈴鹿クラブマンレース等で培ったノウハウを投入することで実測185ps&16.8kgmを発揮。排気系は、マキシムワークス製EXマニにオリジナルのN1改マフラーを組み合わせてVTECサウンドを際立たせる。

ちなみにEK9は純正パワステギヤボックスからのフルード漏れトラブルが増えているが、現在はリビルト品を含めて入手不可能。そこでこのEK9は、モズクラフト製のハイパーEPS(電動パワステ化キット)を導入してこの問題を解決した。

サスペンションはアスラン×スピリットのコラボレーション車高調をセット。スプリングはスウィフト製でフロント24kg/mm、リヤ22kg/mmというハードレート設定だが、フルピロ化によるスムーズな足の動きでスポーツ走行時の安定性を確保。フロントナックルの曲げ加工でネガティブキャンバーを付けているのもポイントだ。

ホイールは15インチのエンケイRPF1RS(F8.0J+28 R7.0J+41)で、タイヤにはアドバンA050(F225/50-15 R195/55-15)をセット。なお、EK9の純正ホイールPCDは114.3の5穴だが、バネ下重量の軽量化とホイールサイズの選択肢を広げるためにアスランオリジナルのキットでPCD100の4穴に変更している。

室内はリヤシートを撤去した上で、アスランのオリジナルクロモリロールケージ(7点式+サイドバー)をインストール。運転席側に設置されたレッドのセーフティネットが、レース仕様を匂わせる。

「派手なエアロは装着せずシビックらしさを残す」というコンセプトのため、エクステリアは純正然とした仕様だ。しかし、ボンネットとリヤゲートをカーボン化している他、リヤ3面のウインドウもアクリル化することで大幅な軽量化を達成している。

タマ数の少なさや製廃にも負けじと、先進のアップデート術が今も生み出されていくEK9。シビックの歴史を繋ぐ意味でも、アスランのようなプロショップの存在は貴重と言えよう。

●取材協力:アスラン 大阪府堺市南区別所238-2 TEL:072-349-4880

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