「これぞ第二世代GT-Rチューニングの最終進化系!」2.9L+デュアル可変バルタイ仕様の鬼トルク発生機

実用域で最強クラスのパフォーマンスを発揮!

600馬力までの領域を突き詰めたRB26DETTチューン

ハイパワーチューンにかけては無類の強さを誇るチューニングショップ“ライジング”。今回紹介する純白のBNR34は、そんな同ショップが手掛けた実験機だ。

RB26DETTチューニングには様々なアプローチが存在するが、ライジングの伊藤代表は「600psまでどうやって持っていくかが技術の見せどころ」という考えの元に独自のメニューを構築。それが2.9Lのデュアル可変バルタイ仕様だ。

メタリックブルーでペイントされたRB26DETTは、ライジングが展開する2.9Lオリジナル排気量アップキットを軸に構築。これは、RD28クランクを加工流用したロングストローク化と、アッパーデッキなどの組み合わせで完成するもので、実用トルクの大幅な向上が狙いだ。

なお、エンジン本体はN1ブロックを使い、ドラッグレースで用いられるセメント補強も施されている。

RD28改クランクシャフトは、組み込みスペースの確保とピストン&コンロッドの重量に合わせてウエイトを小型化。その他にも先端部の1本キー化やSQ処理による硬度アップなど、多くの加工を行って高出力化に対応させている。鍛造ピストンはアメリカCP社のよるスペシャルでボア径は86.5φだ。

2.9L仕様はピストンが5mmほどヘッド上端から付き出す設定となるため、辻褄を合わせるために5.5mm厚のシリンダーアッパーデッキも用意される。いわゆるハイデッキ化を行っているのだ。

このエンジンのコア技術はそれだけではない。なんと、日産純正のNVCS機構(位相30度タイプ)をインテーク側とエキゾースト側に組み込んで、デュアル可変バルタイ化しているのである。

ちなみに、インテーク側のNVCS化はライジングでメニュー化されており、導入コストは15万円〜とのこと。カムは自由に選択できるが、この車両はレイマックスの10.5mmハイリフト(作用角288度)仕様をインストールしている。

エンジンマネージメントはF-CON Vプロが担う。燃調や点火時期はもちろん、NVCSのコントロールも綿密に行っている。

組み合わせるタービンは、インターセプトを3000rpmに設定した600ps狙いのオリジナルモデル。三菱のTD系がベースだ。パフォーマンスダンパーを使ったタワーバー(ナイトペイジャー製/絶版)は、「振動が吸収されて快適性が大きく高まる」と、ライジング伊藤代表が太鼓判を押す逸品だ。

インテリアはノーマルライクに仕上げつつ、ナルディクラシックやロールケージで走りのイメージを演出。存在感抜群の3連ミラーメーターはライジングのオリジナル製品(2万5000円)だ。

足回りはニスモのRチューン車高調でセットアップ。ホイールは19インチのSSRヴィエナクラージュで、タイヤサイズはGT-Rでありながらフロント245/35-19のリヤ275/30-19と、前後異径で組み合わせる。タイヤの外形差は2mm程度しかないため4WDのGT-Rでも問題は起こらないとのこと。

このスーパーチューンドの乗り味は強烈の一言で、2500rpmからのパワー特性はRB26チューニングの常識を完全に逸脱したレベル。それでいながらRBエンジンらしい高回転域のパンチ力もあるため、まさに究極的な全域型なのである。名チューナーの野心作、ただただ感服するばかりだ。

●取材協力:ライジング 東京都八王子市上川町3515 TEL:042-652-9449

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