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VQ25HRエンジンにGTS7040をカスタムインストール
NAチューンからのステップアップで完成した禁断の過給機仕様!
Z34型フェアレディZと同じVQ37VHRエンジンを搭載するV36型スカイラインは、チューニングベースとしても一定以上の人気を保つモデルだが、ここで紹介するのは2.5LのVQ25HRを搭載する250GT。いわゆる廉価グレードがベースだ。
吸排気系のNAチューニングを重ねてきた車両だったが、ステップアップのために兵庫県のチューニングショップ“ピットロードM”にてスーパーチャージャーによる過給機チューンを敢行。「それまでに装着したパーツ類を活かしたまま、エンジンをパワーアップしたい」というオーナーの要望を満たした仕様だ。
エンジン本体はノーマルだ。VQ25HR用のスーパーチャージャーキットは存在しないため、カーメイキングレヴューのZ34用のGTS7040キットをベースに加工装着。そのままだと燃料系が容量不足に陥るため、インジェクターはR35GT-R用に変更し、さらにRH9製の大容量燃料ポンプでパワーアップ分に対応できる燃料を供給している。
VQ25HRエンジンは圧縮比が10.3:1と最近のNAエンジンとしては低いため、小径プーリーを使ってブースト圧を高めの0.6キロに設定。これらをピットロードMオリジナルのチューンドECUで綿密に制御することで、320ps&40kgm(ノーマルの実測値は200ps)もの大パワーを発揮させることに成功した。
しかも、最大トルクが3000~5600rpmのワイド域で発生し続けるため、パワーフィールはVQ37VHRエンジンを超えるほど刺激的なのだとか。
冷却系チューンも抜かりない。GTS7040で過給された吸入空気は、HKS製の前置きインタークーラーによって冷却され、左右バンクのスロットルに分かれていくレイアウトを構築。狭いエンジンルーム内で見事にパイピングさせている。
フレッシュエアを効率よく取り込むために、インテークはバンパー助手席側のダクト奥まで伸ばしてトラスト製のエアインクスをギリギリに配置している。
オートマ自体はノーマルだが、負担低減のためATFクーラーを装着してフルード温度を管理する。「過給機仕様はATF温度が厳しくなるのでATFクーラーは必須ですね」とはピットロードMの森下代表。
排気系はアミューズコーポレーションのR1チタンをチョイス。VQ37HR用の60φデュアル構造ということもあって、スーパーチャージャー装着でも排気効率は抜群だ。EXマニはマキシムワークス製を奢る。
一方の足回りは、HKSのハイパーマックスIIIダンパーを軸に構築。ブレーキも前後V36クーペ用(4ポット&2ポット)を流用して大容量化するなど、大パワーを受け止めるサスペンションチューニングを敢行している。
ホイールはワークのシュヴァートで、フロントが8.5J×20+28、リヤが9.5J×20+37というサイズ構成だ。
インテリアはノーマル然とした仕上がりだが、ピラー脇に設置されたデフィのブーストメーターが過給機仕様を物語る。その他の車両情報はHKSのCAMP2で一元管理する。
最近はそれほどサーキットへも行かなくなり、高速道路を気持ち良くドライブできることが優先になりつつあるそうで、レカロのセミバケットシートはその一環となる。
非力なVQ25搭載モデルでも、オーナーに情熱があれば真のスポーツセダンへと生まれ変わらせることができる。それを証明するような1台だ。
●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359
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