「この初代スイスポは過激すぎる!」930キロの車重+1.8Lのビッグトルクで勝負!

モンスタースポーツ渾身のホットハッチ!

Nゼロレースマシンがベースのサーキット仕様

 取材車両のHT81Sスイフトスポーツは、かつてナンバー付きのNゼロ規定で行われたワンメイクレース『スイフトスポーツカップ』に出場していた車両をベースに製作された“モンスター東名横浜”のデモカーだ。

それだけに、車高調や16インチタイヤなどは全て指定部品のまま。また、Kカーのプラットホームをストレッチして使っているHT81Sの場合、ボディ剛性不足はスポーツ走行時の大きな問題となるが、それをカバーするためのロールケージやタワーバーも、ワンメイクレースの指定部品となっている。

 そして、ワンメイクレースのレギュレーションから解き放たれたことを受け、モンスター東名横浜はサーキットで“より速く、より楽しく”を追求して、排気量アップによる走りの鋭さをプラスしてきた。

HT81Sには、元々1.5LのM15Aエンジンが搭載されているのだが、そこにモンスターオリジナルの1.8Lキットを組み込むことで“M18A”化しているのだ。

 腰下は78mmのストローク量を変更することなく、78φボアを85φへと拡大する鍛造ピストンを投入。そしてヘッドにハイカムを組み込む事で、170psのパワーと18kgmのトルクを実測で発生させている。

オリジナルのハイフローカムシャフトのプロフィールは、インテーク&エキゾーストともに248度/8.5mmリフト。ノーマルのリフト量は8.3mmなので、バルブは大きく開かせているものの、すばやく閉じるようにしないとパワーが出ないのがM型エンジンの特徴だ。

制御系は、レース参戦時はレギュレーションの関係でフルノーマルのECUが使われていたが、1.8Lへの排気量アップにともない、現在はトラストのeマネージアルティメイトで燃調や点火時期をコントロールしている。

ちなみに、排気系はM18キットの導入に合わせてEXマニを4-2-1タイプに変更ずみだ。もちろん、ノーマルのEXマニもセット可能だが「ハイカムの“カムに乗っていく感じ”を強く味わいたいなら、絶対に交換すべき」とのこと。

サスペンションは前述の通りレーススペックの車高調で、スプリングレートはフロント14kg/mm、リヤ8kg/mmとかなり高い。突き上げ感も強く完全なサーキットスペックだが、パワフルな1.8Lエンジンを支えるためにはこの足が必要というわけだ。

追加メーターとしてデフィの水温計と油温計がセットされていた他は、至ってノーマル然としたインパネ周り。ナンバー付きのNゼロレースならではの雰囲気と言える。

また、HT81Sはボディ剛性が低いため、取材車両のようにロールケージの導入は有効。そこまでいかなくても、タワーバーやフロアバーなどはスポーツ走行に欠かせない。

車重1トン未満という軽さがウリのHT81Sだけに、このエンジンを搭載させた時の俊敏さは想像するまでもないはず。

実際、サーキットでは同社の元デモカーである1.9L仕様のZC31Sよりも速かったそうだ。中古市場での手頃な価格を考えれば、HT81Sチューンは大いにアリと言えるだろう。

●問い合わせ:モンスタースポーツ TEL:0538-66-0020

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