「この7代目トヨタ・コロナは激しすぎる・・・!」直6エンジン換装の極低ドリフト仕様を捕獲!!

コロナで6発サウンドを出してみたかったんだ!byオーナー

メンバーやアーム類、ドラシャをワンオフ製作。燃料タンクも外してクリアランスを稼ぐ!

トヨタ・コロナ最後のFRと言えばAT140系。4ドアセダンと2ドアハードトップが揃い、日本初のDOHCターボとなる3T-GTEUが搭載されたことでもお馴染みだ。4気筒エンジンしかラインナップされなかったそんなコロナに、6気筒の1G-FEを載せてしまった問題作がこちら。

「なぜ?」という疑問をオーナーにぶつけてみると…「街乗り&ドリフトって感じのクルマなんです。元々4A-Gでイジっていたんですけど、ある時ふと、AT141で6発エンジンの音を出してみたくなったんです。じゃあ、載せ換えてみようかって」との返事。

そう、このエンジンスワップはありがちなパワーアップ目的ではなく、官能的な直6サウンドを求めた結果のアプローチだったのである!

心臓部の1G-FEは、吸排気系のみに手を入れたライトチューン仕様だ。コロナのエンジンルームが比較的広いのか、それとも軽量設計の1G-FEがコンパクトなのか…。あるいはその両方だと思うが、始めから1G-FE搭載モデルがあったといってもおかしくないほど自然な収まりを見せる。しかも、エンジン自体が地味すぎて気付かれないことも多いらしい。

可能なかぎりノーマルっぽくというオーナーのリクエストに応え、あえて純正エアクリーナーボックスを採用。EXマニはφ38パイプを使ったワンオフ品で、「1Gはエンジンが地味だから、EXマニくらいは派手にしよう! と見た目重視で作ったんですけど、そしたらEXマニばかり目立つようになっちゃいました」とは、製作を担当したダディーモーターワークス尾頭代表。

ラジエターは街乗りを考えてコアには大容量の3層を採用。さらに、電動ファンを水温制御とすることでオーバークールも防いでいる。尾頭代表いわく「製作時には、まさかドリフトするとは思ってなかったです(笑)」とのこと。もちろん、走行風での冷却効果が低下するドリフトでも大容量ラジエターはプラスに作用する。

ステアリングホイールがアメリカのレカラ製ウッドタイプに交換されるくらいで、基本的にノーマル状態を保ったダッシュボード周り。

ミッションには6速MTを搭載。1G-FE換装によってシフトレバー位置が大きく後退したため、センターコンソールパネルを加工して違和感なく仕上げている。エンジンがVVT-i仕様でないから厳密には違うけど、1G-FEに6速MTという組み合わせは実際、GXE10アルテッツァに存在したもの。つまり、世界のトヨタも認めた由緒正しきパワートレーン(!?)と言っていい。

さらに、このコロナが凄いのは、超絶シャコタン仕様なのにしっかりドリフトできるという点。企業秘密とのことで詳細は書けないが、ダンパー加工にその取り付け位置の変更、アーム類やサスペンションメンバーの加工、ドライブシャフトのワンオフ製作などの大がかりな作業を伴って、とにかく路面と干渉しそうな部分を全面的に見直している。

フロアパネルの下に出てしまう純正タンクは車高を限界まで落とす際に大きなネックとなり、路面との干渉で割れたりしたら車両火災なども招きかねない。そこでラゲッジルームにスチールパイプでやぐらを組み、容量45LのATL製ガソリンタンクを装着。

純正の燃料計は機能しなくなるため、グローブボックス内に専用の燃料計を設置している。

フロントストラットタワーのアップ。本来ストラットタワーから先端が付き出すタンパーロッドが奥に確認できる。超シャコタンを実現するため、全長を大幅に見直したダンパー自体が内側にオフセットされるのだ。

近代ドリフトは、トラクションと切れ角を追及するあまりマシンの車高がどんどん高くなってきている。何を求めるかはオーナー次第だが、エンジンサウンドとシャコタンに拘ったこうしたスタイルは、往年のストリートドリフトを思い出させてくれるほど刺激に満ち溢れていた。

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ダディーモーターワークス 愛知県豊明市沓掛町神明13 TEL:0562-85-9911

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