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過激なターボより操る楽しさを追求した現代仕様
スモーキー永田の湾岸クルーズマシン!
三菱ギャランGTOは1970年(昭和45年)にデビュー。その形状から「ヒップアップクーペ」というキャッチコピーで人気の高かったクルマだ。デビュー時のトップグレードは1600ccツインカム+ソレックス4連キャブのMR、当時としてはトップレベルの俊足ぶりを発揮した。
その後、排ガス規制が導入されたことによる出力低下を補う目的や、競合車種とのパワー競争もあって、1973年のマイナーチェンジで2000ccエンジンを搭載するモデルが追加される。
2000ccモデルのトップグレード、GS-Rはビス留めのオーバーフェンダーを装備、いち早く扁平タイヤが導入されるなど“走り屋”イメージの強いクルマとなっていった。今回紹介する車両は、そんな2000ccのGS-Rをベースにしたチューニングカーだ。
ベース車が解体寸前のところでトップシークレット代表のスモーキー永田の目に留まり、手術を受けることに。まずエンジンは元々の4G53では何かと不安が付きまとうため、同系であるランサーエボリューションの4G63へとスイッチ。
なお、換装にあたってはオイルパンの加工(GTO用とランエボ用をドッキング)など、最低限の作業で進めることができたそうだ。
もちろんスモーキーが手がけるだけにノーマルのままというわけはなく、4G63は腰下にRB26用ピストンを組み込んでハイコンプ化し、ヘッドにはハイカムを投入。そしてターボシステムを取り払い、代わりにRB26の純正6連スロットルを2気筒分カットして加工装着している。そう、ハイコンプのNAメカチューンを作り上げたのだ。
EXマニもトップシークレットでワンオフ製作されたもの。理想的な排気効率を追求して完全等長レイアウトとしている。
足回りは、ノーマル改の強化ダンパーにダウンサスという組み合わせだ。
ストローク量を確保するために、ダンパー取り付け位置を30mmアップできるプロジェクトμの他車種用ストロークアップアッパーマウントを流用装着している。
インテリアはノーマル然とした仕上がりだ。センターコンソールには制御用のF-CONプロがさりげなく埋め込まれる。
装着されているオーバーフェンダーは実は純正。道路交通法の改正により、GS-R発売当初のモデルにしか装備されなかったものだ。装着されているホイールはRSワタナベのRS-8。
こうして完成した車両は、エアコンも装備され、乗り味は当時のまま街乗りから高速クルージングまで快適にこなせるもの。普段はファクトリー内に保管され、スモーキーが気分転換したい時などに使っているとのこと。このギャランGTOに乗ると、クルマのことばかり考えていた少年時代のことを思い出し、初心に戻ることができるそうだ。
●取材協力:トップシークレット 千葉県千葉市花見川区三角町759-1 TEL:043-216-8808
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