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もしサクシードに中東仕様があったら・・・
アングルを組んで溶接留めされた電動ウインチは機能する!
このサクシード、方向性はスタンス/USDM系に属するが、パーツチョイスやディティールの作り込みが独創的かつ個性的で、存在感はまさにオンリーワン! それもそのはず。オーナーいわく「トヨタがもし中東仕様のサクシードを作ったら、こんな感じになるんじゃないか…それをテーマにカスタムしたんです」とのこと。
まず目を引くのが、俗にシュノーケルと呼ばれるエアインテークダクト。本気系オフロード仕様の70系ランクルとかで見かけるアレだ。「サクシード用なんてあったんだ!」と感心していたら、側面に“HILUX”のロゴを発見。Aピラーの角度に合うモノを探してたところ、ハイラックス用がピッタリだったので流用したそうだ。
そしてバンパー中央部に装着された電動ウインチ。ダミーなどではなく、裏側に組まれたアングルに溶接留めされ、しっかりと機能するのだ。コントローラーはエンジンルームに設けられる。チラリと見えるフロントグリルのエンブレムは60系ランクルからの流用だ。
言われなければ気づかないルーフキャリアも大注目。ベースキャリアを介して装着すると、どうしてもキャリア自体の位置が高くなる=見た目にカッコ悪くなってしまうことを嫌い、できるだけ低くマウントできるJB23型ジムニー用を流用していたりする。
ホイールは15インチのスタンスマジック♯520。フェンダーツメ切りにフロント7度、リヤ9度というネガティブキャンバーを付けることで前後9.0Jオフセット±0を収める。組み合わされるタイヤは、185/55サイズのハイフライHF201だ。
リヤクォーターパネルには友達に作ってもらったというステッカーが。“ALL MODE 4×2”で2駆(FF)であることをアピールするなどシャレが効いている。
また、フロントグリルのトヨタエンブレムは60系ランクル用を拝借し、ネットオークションで手に入れたロシア製バグガードをボンネット先端に装着。サイドミラーは細いステーに薄型の本体がスタイリッシュな汎用F1タイプに交換されるなど、ディテールに至るまで拘り抜かれている。
室内も独創的だ。ステアリングホイールはパンチングレザーと赤ステッチを採用したナルディ製330φに交換。シフトノブはホンダタイプR用を流用し、ステアリングホイールに合わせた赤ステッチの汎用ブーツも装着される。ダッシュボード右端にセットされるのはKmoon製タコメーターだ。
センターコンソール上段に装着されたアンドロイドタブレット。Wi-Fi環境が整っていれば動画再生やナビの使用が可能になる他、アプリをインストールしてOBDIIポートに接続することで各種車両情報を映し出すこともできる。
前席はニーサポートやサイドサポート部に赤ステッチが配されたヴィッツG’z純正品に交換。座面のサイド部に、そのロゴマークが確認できる。「シートレールを小加工するだけで装着できますよ」とはオーナー。
「フレームだったら路面にヒットしても仕方ないと思ってますけど、スタンスやUSDMの世界だとまだまだ甘い車高です」とオーナーは謙遜するが、走行40万kmオーバーで廃車される予定だったサクシードを手に入れてから、わずか1年でこの状態まで仕上げたというのだから驚くしかない。
さらに、これで完成というわけでなくリメイクを続行中。オールペンを含め、どんな仕様に生まれ変わるのかが楽しみだ。
●TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
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