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国産ライトウェイトスポーツの黄金世代!
絶妙なボディバランスがクイックな走りを生み出す
バラードの派生車として、1983年1月に登場したFFライトウエイトスポーツCR-X。当初のグレードは1.3Lの『1.3』と1.5Lの『1.5』の2本立てだったが、1984年11月のマイナーチェンジで、1.6L・DOHC16バルブのZCエンジンを搭載した『Si』を設定。ASという型式から、一部のファンにSシリーズの再来と捉えられた。
「なんてったって軽いボディが武器ですね」と語るのは、このCR-X(Si)のオーナーでありホンダ車チューンを得意とするショップ“ガレージFK”のスタッフでもある古賀さんだ。
吸排気系まで含めてフルノーマルなエンジンは、ノンオーバーホールだが調子は上々。世界初の中空カムシャフトの採用や、やはり市販乗用車で世界初となる、4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドにより、吸気バルブで10.3mm、排気バルブで9.0mmというハイリフトを達成したZC型。カタログスペックは135ps/6500rpm、15.5kgm/5000rpmだ。
車高調はエナペタル製を導入。サスペンション型式は、フロントがトーションバー・ストラット式で、リヤがトレーリングリンク式ビームとなるが、これはスペース効率と回頭性&応答性を考慮した設計で、『スポルテックサスペンション』と命名されたものだ。
サイドサポートアジャスターが付いたシートは、若干の色褪せこそあるものの年式を考えれば程度極上。“ワンマイルシート”と評され、北米仕様には装備されなかったリヤシートをはじめ、内装パーツはフル装備かつコンディションも抜群だ。
無限の『CF-48』ホイールと『エアスポイラー』と名付けられたリヤスポを装備するエクステリア。回転バランスと放熱性を考慮したフィンディスクを持つCF-48は当時の大ヒット作で、オプションでエアーカウルを装備することが可能だった。サイズは6Jの15インチで、タイヤはポテンザRE-01Rをセット。
「B型エンジンに載せ換えられないかって、試したこともあったんですけどね。マウントもメンバーも違うし、費用対効果が全然合わない。それでも、860kgの車重と2.2mのショートホイールベースが生み出す走りは楽しいですよ」と古賀さん。そして、このショートホイールベースとファストバックが織りなすサイドビューの美しさも、初代CR-Xの魅力だと語っていた。
●取材協力:ガレージFK 埼玉県三郷市采女1-162 TEL:048-958-8835
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