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オンリーワンの世界観を保ちつつアップデートを敢行
エンジンもFA20改2.1L+ターボのフルチューンを搭載!
関西を代表するビルダー達の技術力を結集した“浪速の公道GTスタイル”を掲げて、OPTION誌の第一回『86/BRZ選抜総選挙(2018年)』で総合1位に輝いた“まさやんZN6”が大幅な進化を遂げて帰ってきた。
以前は、ファルケンのレーシングカーをオマージュした2トーンカラーのワイドボディ仕様だったが、5年の月日を費やして内外装を完全リフレッシュ。大技を連発しながら、イメージを激変させた超絶進化形を作り上げたのだ。
カスタムコンテストで一度アワードを獲得すれば、そこからのリメイクは至難の業だ。完成度が高ければ高いほど小手先のアレンジは効かなくなるため、多くのユーザーはコンセプトを変えたり、エアロパーツを一新しながら定着した愛車のイメージを大きく変えていく。
しかし、まさやんは“公道GTスタイル”というコンセプトや、純正バンパー×ロケットバニー・ワイドボディスタイルは変えることなく、イメージを見事に一新してきたのである。
エアロパーツの基本構成は変えず、ターコイズブルーへのオールペンとラッピング、そして前後カナードやGTウイング翼端板の変更でレーシングスタイルを強調。フロントバンパー開口部のネットをGTカーでも使用されているものに変更したり、カーズのラッピングに似合うヤンチャさを引き出すためボンネット後端を浮かしたり…と、細部にも全力を注ぐ。
リメイクの柱となるワンオフホイールは、ワークのスペシャルオーダープログラム「SION」を利用して製作。フロントはグループCのマツダ・787Bをイメージしたターボフィン。リヤはグループAのSTPタイサン・BNR32をイメージした5本スポークとし、唯一無二のオリジナリティだけでなくカーズのレーシングカラーに映えるファンキーな足元を打ち出したのだ。サスペンションはKWのクラブスポーツで、ブレーキは前後ともにTRD製の6ポットキャリパーを備える。
リヤウインドウに追加したルーバーを引き立てるためにピラーフィンを、リヤアンダーディフューザーとトレッドを際立たせるためにバンパーダクトやカナードを…といった具合に、前仕様時に拘ったワンオフカスタムを捨て去る潔さこそ、キープコンセプトのリメイクを成功させた秘訣と言えるだろう。
ロールケージを張り巡らせて2名乗車としたインテリアもアップデート。以前はカーボンをあしらってブラックで統一していたインパネ周りは、エアコン吹き出し口やメーターパネルをカラーチェンジし、敢えてガチャガチャとしたイメージを演出している。
また、ウインドウネットやヘッドガードを備えたシート(運転席:ブリッドセロRS/助手席:ブリッドユーロスターII)、ネオンカラーのレーシングハーネスを吊り下げるなど、レーシーさもしっかり底上げする。
前仕様時は吸排気チューンだったエンジンは、スタイリングに相応しいポテンシャルを求めてHKS製2.1L&GTIII-RSのターボチューンに進化。ブースト圧1.2キロ時に500psを発揮する心臓部は終始ストレスフリーな走りを叶えてくれる。裏コンセプトとして掲げている“たばこが買いに行けるレーシングカー”は、ターボチューンでますます盤石となっていた。
「僕の中で完成形はなくて、常に進化を模索しています。ラッピングは簡単に仕様変更できますし、まだまだ全力で遊びますよ」との言葉を聞くと、早くも次は一体どのような姿を披露してくれるのかと期待が高まるばかりだ。
PHOTO:清水良太郎/REPORT:村田純也