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2500rpmでフルブーストに達する特性が凄すぎる!
純正タービンを活かしきるストリート最強スペック
今回紹介するマシンは、ランエボチューンのエキスパートショップ“アンリミテッドワークス”の佐藤代表が仕上げたCT9A型ランエボIXだ。
ランエボシリーズはナンバリングが進むほどに熟成を重ねてきたモデルで、IXはもはや完成の域に達していると言っても過言ではないが、佐藤代表は「進化の余地はまだある」と、独自のエボリューションチューニングを敢行したのだ。
まずエンジンは「高回転の伸びと低回転のトルクを両立する出力特性」をコンセプトに、あえてランエボIXの純正タービンを活用する方向でパワーチューニングを進めているのがポイントだ。このタービンは2500rpmでフルブーストに達する上に、ブースト圧を1.5キロかければオーバー400psを狙うこともできる。さらに、トルク特性に関しても下から立ち上がるという高性能っぷりなのだ。
そんな純正タービンを活かしつつ、さらに低回転から高回転まで綺麗に吹け上がるよう、腰下にブライアンクロワーの86φ鍛造ピストン、コンロッド、94mmストロークのクランクを組み、ヘッドには東名パワードのハイカム(IN270度10.7mmリフト EX270度10.2mmリフト)をセット。耐久性重視の2.2Lスペックを創出し、純正タービンの性能を100パーセント引き出す作戦だ。
足回りはオーリンズDFVをベースにオリジナルの減衰力にセット。スプリングはやや固めのレート(F16kg/mm R14kg/mm)としているが、ロールの少ないシャープなハンドリングに仕上がっている。
さらに、サスペンションに入力される負荷に対してリニアに足を動かすことを目的に、ロワアームやトーコンアームのブッシュは強化。ストリート仕様ならフルピロではなく強化ブッシュで、ある程度の逃げを持たせた方がコントロールしやすくなるとのこと。
ミッションは純正の5速MTから6速MTへとスイッチ。重くて強度が低いという理由から、わざわざ6速MTを5速MTに載せ換えるユーザーもいるそうだが、このレベルのスペックならば問題ない上、6速のギヤ比は使い勝手が非常に良い。各ギヤは5速ハイクロス+高速巡航用の6速といった役割になるため、ストリートでも高速道路でもストレスなくターボパワーを楽しめるというわけだ。
一方、走りをアシストするのに重要なACDも ECUチューン時にプログラムを変更し、クスコのフロントLSDとバランスさせながらトラクション性能を向上させている点も注目だ。
コクピット周りはシンプルメイク。コーナリングG対策でレカロのフルバケットシート“RS-G”をドライバーズ側に与え、デフィの追加メーターを3連で装備。ボディ剛性アップや軽量化は一切行われていない。
ホイールは、ボルクレーシングTE37SLを履くことでバネ下重量を軽減。サイズは前後共18インチの9.5Jでオフセットはプラス22の通しだ。タイヤにはコストパフォーマンスに優れるディレッツァZIIスタースペック(265/35-18)をセットする。
このチューンドは、絶対的なパワーアップやサーキットでのタイムを狙っているわけではない。あくまでも「乗りやすく気持ち良い」を目指したストリートスペックだ。しかし、このメイキングこそ、多くのランエボユーザーが求めている理想像なのではないだろうか。
●取材協力:アンリミテッドワークス 神奈川県横浜市瀬谷区北町44-8 TEL:045-719-2116
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