「このS130Zは脱定番すぎる!」世にも珍しいL型スーパーチャージャー仕様を捕獲

大幅なパワーアップをリーズナブルに実現

低回転から効くトルクと高回転まで伸びる400馬力仕様

1978年にデビューした2代目フェアレディZ(S130系)は、北米で爆発的にヒットした初代(S30系)のスタイリングコンセプトを受け継ぎ、より車格が高められたモデル。大型化や装備の充実により車重は増したが、エンジンはL型のターボモデルや大排気量モデルが設定されたことにより、走行性能の向上も図られた。

とくに当時の最新装備として注目を集めたターボモデルだが、まだそのノウハウも普及しておらず純正ですらドッカンフィール。チューニングシーンではやはりL型3.0L、3.1LといったNAチューンが主流となった。

もちろんチューナー達はビッグタービン仕様にも挑んだが、制御系パーツが未熟な時代だったためにターボラグが大きく、全域で実用的な性能を備えたチューンドは少なかった。実際、ターボチューニングが安定したのはデビューから20年以上後のことと言えるだろう。

ここで紹介するS130Zは定番のL型+キャブチューンからスタートし、スポーツインジェクション+F-CON Vプロへと進化、そして最終的にミニサーキットでの走りを求めてHKSのGTスーパーチャージャーをインストールした想定外仕様。「NAのようにスムーズにパワーが伸びる」というコンセプトで誕生したリアルチューンドだ。

L型エンジン本体は、カメアリのピストン&コンロッドにLDクランクを組み込んだ3.1L仕様。NA時代には12.5:1だった圧縮比は、ブースト圧に対応するため約10.2:1まで落とされている。

スーパーチャージャー本体は、ワンオフのプレートを介してインテーク下にセット。サイズは大型のGTS8550だ。5000rpm時にブースト0.5キロ、8000rpm時にブースト0.7キロになるよう調整されている。最高出力は400psだ。

ブースト圧はプーリー比のセットアップと、ブローオフバルブを使ったリリーフでコントロール。この辺りのセットアップは、スーパーチャージャーチューンを熟知したJ&Kの得意とするところだ。

そうして高めたパワーを安定発揮させるべく、点火系はRBエンジン用のピックアップを使ってダイレクトグニッション化。これにより、旧車にありがちなトラブルを絶つことができただけでなく、フィーリングも大きく向上させることに成功した。

前後の重量バランスを最適化するために、ラジエターはリヤのラゲッジスペースに移設。リヤクォーターガラス部に設けられた左右のインレットダクトからフレッシュエアを取り込み、コア背面の電動ファン(引き抜き用)でフロア下へと強制排出する仕組みだ。

フロントセクションのボンネット先端部(コアサポート内)には、インタークーラーとオイルクーラーを並列でマウントしている。

ブレーキはフロントにエンドレス製、リヤにBCNR33純正のキャリパーをそれぞれ装備。ストップ&ゴーが続くミニサーキット仕様ということで、ストッピングパワーはキッチリと強化しているのだ。

室内は、走る上で不必要な装備が撤去された超スパルタン仕様。ロールバーはボディ剛性アップを狙ったリヤ4点+斜行バー+サイドバー仕様。ドア内張りはアルミ板でリメイク、ウインドウはポリカーボネイト化するなど軽量化も徹底追求している。

タコメーターはオートメーターの120φスポーツコンプ。もちろん、シフトインジケーターランプも導入済みだ。

イグニッションの主電源はミサイルスイッチ、セルモーターはプッシュスターターで作動させる。

参考までに、J&Kにスーパーチャージャー化の費用を尋ねると「制御系や点火系などが整っているならば、およそ100万円〜」との回答。現代的なパワーフィールを求めるL型エンジン使いは、チューニングの選択肢の一つに加えてみてはいかがだろうか。

●取材協力:J&K 千葉県山武郡九十九里町真亀629 TEL:0475-76-2714

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