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日本を代表する高級車にハイパワーな2JZをスワップ
VIPカースタイルを維持しつつ走りも磨く!
日産を代表するショーファードリブンカーの“3代目プレジデント(JHG50)”に、最強の直6エンジンである2JZ-GTEを搭載してしまった変態的スーパーチューンドの登場だ。
「VIPカーのスタイルが好きだけど、ちゃんと走れるってのが大事ですね」とはオーナー。ド派手なエクステリアは、セッションのフロントバンパー&サイドステップとオートクチュールのリヤバンパーでコーディネイト。ボディカラーは、ヤスバルレッドというメタリックレッドだ。
換装した2JZはノーマルではなく、腰下にHKSの87φ鍛造ピストンやH断面コンロッドを組み合わせることで総排気量を3067㏄までアップ。スワップを含めて作業を担当したのは、愛知県のC&Yスポーツだ。
組み合せるタービンはウエストゲート式のTO4Zで、F-CON Vプロによる綿密な制御によって700psを発揮。ミッションは、JZA80スープラから流用したゲトラグ6速MT。ボディこそプレジデントながら、チューニングカーとして一線級の戦闘力が保証されるパワートレインを与えているのである。
ボディサイドにはアメ車風のエキゾーストマフラーを装備。もちろん飾りなどではなく、腹下で分岐していてバルブ制御で後方のマフラーと切り替えられるそうだ。
「リムが出てタイヤが見えるのがカッコ良い」と、フェンダーはオーバーフェンダー形状でリメイク。出幅はフロント片側40mm、リヤ片側80mmとなっており、各エアロパーツと違和感なくフィッティングするように造形されている。
VIPとスポーツカーの融合をコンセプトにしているため、ホイールはVIPセダン御用達のワークエクイップ(F11J×19 R12J×19)をセット。タイヤはナンカンNS2(F245/35-19 R275/30-19)だ。VIPスタイルを取り入れているものの、あくまでも走りを優先しているため、ネガティブキャンバーは付けすぎないように調整している。
足回りはTディメンド製の車高調を軸にセットアップ。高速走行をダーゲットとしているため、ブレーキはフロントにエンドレスの6ポットキャリパーシステムを、リヤにグレックス4ポットキャリパーシステムをそれぞれインストールして強烈なストッピングパワーを手にしている。
280mmの小径ハンドルやセミバケをインストールして、プレジデントらしからぬレーシーなインテリアを構築。また、MT化に合わせて本来は足踏み式パーキングブレーキが採用されているところをサイドブレーキ式に変更しているのもポイントだ。
走り系とVIP系、異なる要素が複雑に絡み合い化学反応を起こしたプレジデント。まさに、ジャンルの壁を超えた極上のクロスオーバー仕様と言えるだろう。
●取材イベント:W-Option JAMBOREE
TEXT:山本大介(Daisuke YAMAMOTO)/PHOTO:小竹充(Mitsuru KOTAKE)/澤田優樹(Yuki SAWADA)