「OS技研と博物館がタッグで仕上げた幻のBNR32を知っているか?」世界に2台だけの特別なコンプリートGT-R

プロジェクトの復活を願わずにいられない究極系BNR32

550万円はバーゲンプライスすぎる!

動態保存を基本としたGLION(ジーライオン)ミュージアムと、チューニングパーツメーカーのOS技研がコラボして生み出されたOSR32。販売価格550万円を目指して開発されたコンプリートチューンドだ。

その背景には、程度の良し悪しに関わらずBNR32の中古車価格が高騰している今、必要な箇所をリフレッシュして適正価格で販売し、BNR32本来の走りを楽しんでほしいという両社の思いがあったからに他ならない。

そんなOSR32の製作を手掛けたのがGOS LABO.(ジオスラボ)。まず、クルマの骨格であるボディは錆や腐食箇所を取り除き、必要に応じてパネルも交換。機関系はオーバーホールなどを施しフルリフレッシュ。外装もモール類を入れ替え、オールペイントを施して仕上げられている。

エンジン本体はブロックバリ取り、ブロック上面研磨、シリンダー面取り、コンロッド重量合わせなど細部まで手が入れられる。

エンジンは新車プラスαの性能とコンディションを求め、オイルポンプ、ウォーターポンプ、エンジンマウンドなどを新品にしてフルオーバーホール。その際、ピストンはOS技研の87φ鍛造タイプ(OSR32専用)が投入された。

この車両は、良好な純正タービンが再装着されたが、エンジン仕様的には純正交換タイプのタービン程度なら問題なく対応、耐久性も保たれるはずだ。流通車両の多くに劣化が見られるカムカバー周辺やサージタンクは、OS技研のイメージカラーであるライトブルーの結晶塗装で染められ美しい仕上がりとなっている。

排気系はフジツボのフロントパイプにサード製キャタライザー、エンドマフラーはフジツボのレガリスRへと繋がる完全合法レイアウトだ。

室内は基本的にBNR32のオリジナルを尊重したリフレッシュ仕上げ。シートはブリッドの輸入車用プレミアムブランド“edirb(エディルブ)”を装着しているが、シンプル・イズ・ベストという考え方だ。

足元はワークマイスターS1の3ピースモデルに、245/40-18サイズのアドバンネオバAD08Rという組み合わせ。サスペンションはGOSオリジナル車高調で適度にローフォルムを演出する。ブレーキはBNR34用のブレンボキャリパーにディクセルローターのセット。ブレーキマスターやブレーキラインも交換済みだ。

外装類はオールペンに留まらず、モール類の交換も行われた。

見れば見るほどバーゲンプライスに感じるクオリィティだが、このOSR32は2台が製作&販売された後、プロジェクトはコンプリートカー製作から総合パーツ販売に形態を変えて進行。そのため、フルリフレッシュされたコンプリートカー仕上げのOSR32は超レアな個体なのである。

GOS LABO.に確認したところ「現時点でOSR32の製造予定はない」とのことだが、運命の歯車がいつ廻りだすとも限らない。このコンプリートプロジェクトが再開される日を期待せずにはいられない。

●取材協力:ジーライオンミュージアム TEL:06-6573-3006

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【関連リンク】
ジーライオンミュージアム
https://glion-museum.jp/

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