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エアロパーツは当時モノのボメックスで統一!
機関系もMR-2専門店ガレージアクティブでリフレッシュ
ここで紹介するSW20型MR2は、90年代のテイスト(=当時感)を強く意識しながら理想を追い求める“たけ”さんの相棒だ。
たけさんは90年代生まれで20代の若者。当然、“あの頃”の熱きチューニングカルチャーを自身の肌で感じてきたわけではないが、「B’zやL’Arc-en-Ciel、SIAM SHADEといった90年代の音楽が昔から好きで、そこからクルマに関しても90年代を意識するようになりました。移動手段として完成されている現代のクルマと異なり、当時のクルマは“味”という意味での面白さがある思うんです」とのこと。
ベースモデルは1994年式(SW20の3型)のターボモデル「GT-S」で、購入したのは5年前。“古くて珍しいクルマ”という条件のもと、リトラクタブルヘッドライト&ミッドシップといった要素で、理想的な車種として浮かび上がったのがSW20だった。10万km近い走行距離を重ねた個体であったが、現在の相場では考えられないような破格で手に入れたそうだ。
エクステリアを覆うエアロパーツは90年代に爆発的ヒットを飛ばしたボメックス製だが、フロントリップとリヤスポイラー、リヤアンダースポイラーは現行品ではなく廃盤となっている旧型モデルを選択しているのがポイント。
フロントリップとリヤスポイラーに関してはボメックスの伊坂代表に直談判し、倉庫で眠っていたデッドストックを譲り受けた。リヤアンダースポイラーだけは手に入らなかったため、ネットオークションを監視しながら、時間をかけて探し出したという。
インテリアも当時を意識したパーツチョイスでノスタルジックさを演出。3連メーター(左から油温・ブースト圧・油圧)は廃盤となっているトラストの60φで、レーシングハーネスとシートベルトパッドも同じくトラスト製で統一。運転席はレカロの旧型セミバケットシート「SR-5」を合わせる。ステアリングはナルディクラシックだ。
心臓部の3S-GTEエンジンは、3年ほど前に福島県のMR2専門店“ガレージアクティブ”でオーバーホールを敢行。「腰下だけにするつもりだったんですが、結果的にヘッドまでやっちゃいました!」とのこと。
足回りはオーリンズ製の車高調でセットアップ。バフアルマイトの輝きが存在感を放つホイールは、ワークマイスターS1の16インチ(F7.0J+42&10mmスペーサー R8.5J+24)。タイヤにはプロクセスR1R(F205/45R16 225/45R16)を組み合わせる。
「最初は17インチのエンケイを履いてたんですけど、“90年代の走り屋なら16インチだよなぁ…”と思い直してインチダウンしました。本当は当時モノのパナスポーツが良かったんですが、程度が悪い流通品ばかりで諦め、デザイン的に近い5スポークのマイスターS1にしました」。
純正のお気に入りポイントとして挙げてくれたのが電動格納アンテナ。「90年代らしさをアピールできるポイントなので、写真を撮る時はいつもキーオンでアンテナを出した状態にしてから撮るんです」。
今後はパワーFC制御化を目論んでいるそうで「速さ優先というよりも“室内にFCコマンダーが置いてある”というのが90年代らしくて良くないですか!?」と、そのコンセプトはブレない。
溢れ出すオーラは完全に平成初期のそれ。90年代当時を知るベテラン達も、このマシンの駆け抜ける姿には振り返らざるを得ないだろう。
PHOTO:Akio HIRANO