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ジャパニーズクラシックカーショー(JCCS)2023潜入レポート Part.3
毎年アメリカのカリフォルニア・ロングビーチで開催されている、ジャパニーズ・クラシック・カー・ショー(JCCS)。アメリカ中のジャパニーズクラシックカーマニアが集うこのイベントにて発見した、ハイレベルなチューンド達を全3回に分けてレポートしていく。
初代コロナマークIIに水冷インタークーラー付きターボ!
マークIIのルーツであるコロナマークIIをベースに、オーナー自らエンジンの製作から各種パーツの取り付けまでコツコツ仕上げたレストモッド。もともと備わる1.9Lの8Rエンジンのブロックに、後の2.0L仕様に採用された18R-Gのツインカムヘッドをドッキング。TD05タービンに加え、シグマオート製の水冷インタークーラーが加わる他、新型コンプレッサーでエアコンも完備。トランスミッションも4速ATと、旧車らしいスタイルと現代的な快適さを兼ね備える。
美麗エンジンベイが光るSR20DETスワップ
スタンス系も相変わらずの人気ぶり。アメリカではKA24エンジンが搭載された240SXとして販売されていたS14シルビアに、ロケットバニーのBOSS V2ワイドボディキットとパンデム6666ホイールを装着するこちら。エンジンはSR20DETに換装され、ワイヤータックも施された美しいエンジンルームを実現。エンジン本体は、わざと存在感を消すように黒で統一されている。
なんと水冷式インタークーラーを室内に装備
クルマに詳しくない人でも、見た瞬間に異様さが分かるであろうダットサン240Z(S30型フェアレディZ)。エンジンは鋳造ブロックを使用するLY6型6.0L V8に換装され、Vバンクから伸びるエキマニを途中で集合させると、フロントのど真ん中にタービンをマウント。配管はそこからUターンするように内側に向かい、何とセンターコンソール裏に設けられた水冷インタークーラーに接続。冷却された吸気はバルクヘッドを経て、本来はスロットルボディが前側に来るはずなのに180度回転して取り付けられたインテークマニホールドに到達する。
オリジナルのRB26DETTクレートモーターを搭載
アメリカでGReddy(グレッディ)ブランドを展開するGPPは、ハイクオリティなレストアとモディファイが施されたR33スカイラインGT-Rを出展。オリジナルタービンのGP68Rを備えたRB26DETTを搭載する。GPPはアメリカで急増する第2世代GT-Rオーナーに向けた独自のパーツを積極的に展開しており、ブルーとゴールドの差し色が入ったホースとANフィッティングも23年のSEMAで発表された新商品だ。一般的なフィッティングと比べてメインボディ(金色の部分)のオスを細長く、ソケット(Gマークが付いた黒い部分)の入口の肉厚を厚く設計し、ホースを差し込みやすい作業性の良さと気密性の高さを両立させている。
8スロとニューホイールでさらに個性をアップ
昨年のJCCSにも参加していたV8スワップのダットサン240Z(S30フェアレディZ)が細部をアップデート。Vバンク間には新たにレースヘッドエンジニアリング製のITB(独立スロットルボディ)が備わり、クラシカルな雰囲気のタペットカバーも装着。より色気のあるエンジンルームを実現した。そしてホイールは以前のSSRフォーミュラメッシュから、アメリカンブランドのMotegiホイールが鍛造で作ったMF145にチェンジされた。
260ZにBMWのシルキー6を搭載!
アメリカだとV8スワップはよく見かけるS30Zだが、こちらは何とBMWの直列6気筒エンジンに換装されたダットサン260Z。2001年式のE46型330Ciに搭載されていた、M54型3.0L自然吸気と5速ATを移植した。ユニバーサルエア製のエアサスペンションも備え、独自路線をひた走っている。
Photo:Akio HIRANO TEXT:Hideo KOBAYASHI
●取材イベント:Japanese Classic Car Show 2023