「まさに現代に蘇った“羊の皮を被った狼”」スカG神話の復活を予感させるスカイライン2000GT-Bの勇姿!

SR20DET搭載のスカイライン2000GT-Bは魅力的すぎる!

中身は320馬力のハイスペック仕様

スカイライン2000GT-Bと言えば、グロリアと並んで日産と合併する前のプリンス自動車を代表するモデルだ。

第一回日本グランプリ(1963年)で10位と惨敗したプリンスが、4気筒モデルのノーズを200mm延長し、グロリア用の6気筒エンジン(G7)を搭載することでリベンジを達成。あまりに有名な逸話である。

その結果、第二回日本グランプリでは総合優勝こそ逃したものの、ポルシェを相手に壮烈なバトルを繰り広げ“羊の皮を被った狼”という言葉を生み出した。

当初はレースのホモロゲーションをクリアするための超限定生産モデルだったが、想像以上に反響が大きかったため、1965年に急きょ“スカイライン2000GT(S54B-2)”として通常ラインナップに加えられたという経緯を持つ。

このモデルは、レース用のウエーバー製3連キャブレターやフロントディスクブレーキを備えた生粋のスポーツセダンだ。GT-Bという名称は、同年9月にシングルキャブの廉価版“GT-A(S54A-2型)”が登場したことにより改められたもの。日本の自動車史の中でスカイラインの地位を不動のものにし、後のGT-R(ハコスカ・ケンメリ)への布石となったことは言うまでもない。

そうした数々の伝説を生み出したスカイライン2000GT-Bを、何と15年近くかけてフルレストア、現代に通じる動力性能を持たせるべくSR20DETを換装したというのが、今回の取材車両だ。

オーナーが細かな部品まで妥協無く仕上げながら、構想を何度も練り直したという力作。そのコンセプトは、オリジナルの外観を当時の姿で残した“現代版、羊の皮を被った狼”に他ならない。

絶対的な速さを狙っているわけではないが、チューニングカー乗りが不満なく乗れる動力性能は絶対条件。そこでS13シルビア用のSR20DETをスワップ。タービンもパルサーGTi-Rの加工モデル(TD06とのハイブリット)に変更して320psを発生させている。なお、サージタンクもパルサー用を奢っている。

ミッションには、シンクロ性能がしっかりとしたS13シルビア純正5速を流用。もちろんボルトオンというわけにはいかず、フロアトンネルを大幅に作り直しての搭載だ。

ショックアブソーバーは他車種のアフター品を流用し、前後ともブレーキはディスク化。なお、フロントブレーキは14インチホイールとのマッチングを考え、エンドレスのマイクロ6をチョイスしている。

“外観はノーマル風に”というコンセプトから、オイルクーラーはナンバープレートの背後に、インタークーラーも隠すようレイアウトしている。

エキゾーストマフラーや燃料タンクなど、手に入らない部品は全てワンオフで対応。とくに燃料タンクは市販の安全タンクではイメージに合わないと、イチから製作したスペシャルを積んでいる。

室内は当時のイメージを残す。メーターパネルなどにはカーボンでアクセントを入れるなどの小技も効かせている。ステアリングハンドルはナルディクラシックだ。

シートは表皮をレザーで張り替えたヘッドレストレスのコブラを2脚装備する。今時のバケットシートと比べるとホールド性は低いが、どうしても譲れないポイントだったそう。

見た目はクラシックだが、中身は現代のスポーツモデルにも負けないハイスペック仕様。まさに、スカイライン2000GT-Bのキャラクター性をリスペクトしたネオ旧車チューンドだ。

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