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アメリカ中のロータリー使いが集結する超大型イベント
アメリカで開催されるマツダ車&ロータリー車のイベントとして最大級の規模を誇る「SEVENSTOCK(セブンストック)」。通算25回目を数えた2023年のイベントは、これまで会場としていたフォンタナのオートクラブ・スピードウェイに代わり、アーウィンデール・スピードウェイで開催。歴代のマツダ車はもちろん、他メーカーのモデルにロータリーを載せた個性派も会場を埋め尽くした。今回は特に注目を集めたマシンたちをピックアップ形式でお届けしよう。
バック・トゥ・ザ・90’sなFD3S
カリフォルニアのRX-7専門店ラッキーセブンレーシングのブースには、90年代のJDMチューンをテーマにレストア&モディファイを加えたFD3Sが登場。外装はRE雨宮とナイトスポーツのコンボ仕様で、エンジンにはギャレットタービンの他、GReddyやA’PEXiなどのパーツを使用している。サスペンションにはJRZを奢り、インテークやタービンをフルポリッシュで仕上げたアメリカらしいドレスアップも実現している。
エアサスでローダウンしたスタンス系FC3S
エアリフトパフォーマンスのシステムで車高を落とした91年式のRX-7。ホイールはリバーサイド・アルシュタットを装着する。エンジンルームもしっかりと作り込んであって、各パーツのポリッシュ加工やオルターネーターのリロケーション、電動ウォーターポンプやダイレクトイグニッションなどを実現。
インテリアもブラウムのフルレザーバケットシートやストリートエアロのフルカーボンステアリングが備わり、Classy(センスの良い)なカスタマイズが追求されている。
チタンパイピングで魅せるVマウント仕様
装着すると同時に3ローターであることを誇示できる、サンディエゴのOMD製3ロータービレットインテークプレナムを備えたオーバーフェンダー仕様のFD3S。
Vマウントの取り回しも凝っており、チタンパイプを細かくカットした上で溶接する職人技も駆使されている。トリガータイプのクランク角センサーやダイレクトイグニッションコイル、電子制御スロットルなども備わり、モダンな手法でパフォーマンスアップも実現。
ARAのラリー競技に出場するリアルラリーカー
アリゾナ州にあるゼブラ・ビルト・ファブリケーションが製作したSA22C(アメリカでは後期型はFB3S)RX-7は、ARA(アメリカン・ラリー・アソシエーション)の公式競技に参戦するリアルラリーマシン。
電子制御インジェクションに改められた12A型ロータリーエンジンを搭載し、ホーリーのスナイパーEFIハイパースパークイグニッションコイルでスパーク力も強化。環状のタワーバーはRacing Beat製だ。
リフトアップされた足回りはテクノ・トイ・チューニングのパーツが使用されている。ホイールは純正ホイールに似た十字スポークのブラックリノ製15インチをチョイス。
20インチ履きのローライダースタイル
これまたヒスパニック系の好みが炸裂したローライダー風味のSA22C(FB3S)。ボディと同じカラーリングが施されたホイールは何と20インチで、タイヤは285/25ZR20という超低偏平。
内装も同系色でバリッと仕上げられているが、中身は軽量フルバケットシートとロールケージ、大型タコメーターとドラッグレースを意識した作りだ。
13Bターボを積むエンジンルームも隅々まで作り込まれており、かまぼこ型のインダクションボックスやブローオフバルブの取り付け、ポリッシュされたマスターバックなど、日本ではあまり見かけないアメリカらしい加工&作り物が面白い。
TCPマジック+ロケバニのコンボエアロ仕様
TCPマジックのエアロパーツとロケットバニーのワイドフェンダーをミックスし、攻撃的アピアランスを実現したFD3S。フロントのカーボンスプリッターはAeroWerkz、GTウイングはAPRパフォーマンス製だ。
ギャレットのタービンを備え、大型のインタークーラーをVマウント。焼き色を入れたチタンパイピングも採用している。インテリアにはレーシーなステアリングやデジタルダッシュメーター、カーボンシェルのCIPHER製バケットシートなどを備え、外観に見劣りしないアグレッシブなコクピットを実現。
Part.3へ続く
PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI