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9.0Jオフセット+15を収めた足元にも注目だ!
NOS噴射でパワーは250馬力に到達
以前は、腰下まで手を入れた5E-FEのボルトオンターボ仕様だったというTさんのターセル。3S-GEに換装したのは5年前(取材時)のことだ。エンジンルームやストラットタワーバーのブラケット部、ミッションケースなどをマットブラックで塗装し、助手席側ホイールアーチの周辺をパネルで覆うことでハーネス類を目隠し。エンジン本体の存在感を際立たせるような演出も行なわれてる。
「ターセルに3S-GEはスペース的に結構キツかったですね。フレームを叩いたりしてなんとか収めましたけど、エンジン載せ換え作業の面倒くさいランキングで言ったら、間違いなく5本の指に入りますよ」と、ダディーモーターワークス代表の尾頭さん。
こうして載せられた3S-GEはNAメカチューン仕様。シリンダーヘッドを面研した上で戸田レーシングの288度カムシャフトが組まれ、強化バルブスプリングにメタルガスケットも導入される。
ムキ出しのファンネルが勇ましい4連スロットルはAE111用で、純正インマニを加工してセット。その手前にはNOSウェットショットのラインとノズルも確認できる。
NOSのソレノイドバルブ。青いのがN2O用、赤いのがNOS噴射時のガソリン増量用。NOS噴射はアクセル開度のみ、またはアクセル開度+スイッチ操作の2通りを選択でき、そのコントロールを含め、エンジン制御はHKS F-CON Vプロによって行なわれる。
もちろん、排気系もチューニング。EXマニはフジツボ製で、本来セリカ用としてラインアップされるモノを加工して装着。ラジエターとのクリアランスはギリギリだ。
マフラーは、センターパイプに消音用バルブを備えたワンオフのステンレス製となる。
この仕様でパワーは200ps。さらにNOSを追加することで、そこに50psのエクストラパワーを上乗せするのだ。車重1トン弱で250ps、しかもスロットルレスポンスに優れたNAメカチューン仕様なら、これで速くないわけがない。
また、スタンス系の要素を採り入れた外装も見どころ。ホンダの純正色パープルメタリックでオールペンされ、ボディとの一体感を出すためにスモーク処理されたLEDテールランプはSONAR(ソナー)製が装着される。
オーナーが、「実はマニアで10セットくらい持っているんです」というホイールは、326POWERヤバKINGスポークの16インチ。前後9.0Jオフセット+15で、フロントは9度、リヤはホーシング加工した上で3度のネガティブキャンバーを付けることで見事フェンダーに収めている。
一方の足回りは、バーディークラブ車高調をベースに前24kg/mm、後20kg/mmのスプリングをセット。ブレーキも、まずフロントにKスポーツのEPスターレット用6ポットキャリパーを組み、それに合わせてリヤサスもEP用に変更することで4輪ディスクブレーキ化を図っている。
内装もレーシーな眺め。ステアリングホイールはナルディ製に交換される。スポークの上に見えるのがNOS噴射用スイッチだ。メータークラスター左側にセットされるのは1万1000rpmフルスケールのオートメータータコメーター。
助手席側ダッシュボードにはデフィーの追加メーターが並ぶ。右から水温計、油圧計、燃圧計、油温計だ。
カスタム系にしか見えないターセルだが、ボンネットを開ければ4連スロットル仕様の3S-GEを積んだ本格的なチューンドカー。その意外性がたまらなく痛快だ!
TEXE&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ダディーモーターワークス 愛知県豊明市沓掛町神明13 TEL:0562-85-9911
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