目次
フルコン2機がけの理由はコストパフォーマンス!?
カプチーノの電脳化に一石を投じる新技誕生
絶版車チューンのトレンドとして急速に波及しているのが、現代流のフルコンとセンサー類を活用したエンジン制御のアップデート。ここでは、カプチーノ専門店の“ヴァケラッタC”が編み出した独自のスタイルに迫っていきたい。
まずはストリート仕様のEA11R。それまでの純正デスビを改造したフルトラ点火のフルコン制御から、カムとクランク角センサーによる点火制御へと変更。さらに、フライバイワイヤーの電子制御スロットルを投入した。
その制御方式は、不思議なハルテックとLINKのフルコン2機種の組み合わせ。「実はアップデート時のコストダウンが主な目的での選択なんです。ハルテックエリート550はウチのお客さんに多用してきたのですが、電スロにするとチャンネル数が不足。そこでLINKでエンジン制御、ハルテックをエアコン制御に活用。CAN通信特性の相性もあり、この組み合わせになりました」と説明してくれたのは荒井代表。
実はCAN通信方式の問題で、ハルテック2機がけは上手くいかなかったため、異なるメーカーの組み合わせとなったという。つまり、この手法はすでにハルテックエリート550を装着している車両に、電子制御スロットル化などのアップデートを行うのに有効な手段というわけ。新規にフルコン化するならば全てを制御できるチャンネル数のハルテックエリート1500、またはLINKストーム以上のモデルを選択することになる。
一方のEA21Rは、究極のアップデートとしてJB23ジムニー9型のK6Aエンジンをスワップ。7型以降では、点火時期制御用のセンサーがカムとクランクの両方に装着されているなど進化している。換装には、オイルパンの加工やエアコン&オルタネーターの取り回し変更などの手間は必要となるが、コスパに優れたEA21Rのリフレッシュカスタムとして、定番メニュー化を検討しているそうだ。
この車両のスロットルはHA36アルトの電子制御式を移植し、制御もハルテックを用いてフルコン化。メニューとして提供するには補機類の煮詰めが必要と言うが、スズキ純正チューンとも言えるジムニー用後期型K6Aは、今後のEA21Rカスタムで注目すべき存在になると考えているそうだ。
「趣味のクルマとしてカプチーノを長く楽しむためには、動力性能や運動性能ばかりでなく、扱いやすさや快適性の向上も重要な課題。点火システムの更新や電スロ化は、その一巻となる取り組みです。高年式K6AのスワップはEA21系なら改造申請不要なのもメリット。技術的にはR06Aの搭載も可能です」と荒井さん。
残存個体のほとんどが経年劣化し、本来の性能を発揮できていないカプチーノ。多彩なパーツが出揃った現在では、リフレッシュついでのチューニング手法も選び放題なのだ。
⚫︎取材協力:ヴァケラッタC 静岡県浜松市北区都田町7547-130 TEL:053-489-7243
【関連リンク】
ヴァケラッタC
https://vaqeratta-c.net