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老舗オートセレクトからの新提案
RB25DETにGT-RのDNAを注入せよ!
RB26DETT×4WDのGT-Rに人気が集中し、現役時代はその影に隠れた存在となってしまったECR33とER34。ただし、トルクフルなRB25DETとFRのパッケージングは痛快で、その走りに惚れ込むファンは多かった。
そんなFRスカイラインだが、近年GT-Rが価格高騰していることもあって人気が急上昇。「GT-Rは高過ぎてチューニングベースに相応しくない」と判断したユーザーが、こぞって購入してチューニングを楽しんでいるのだ。
そこで今回クローズアップするのは、GT-Rチューナーとして名高い“オートセレクト”が提案する『RB26純正パーツ流用のRB25チューン』。年数的にもオーバーホール時期を迎えているRB25に、RB26用のピストンやコンロッド、クランクシャフトを投入し、2.6L仕様のチューンドエンジンに鍛え上げようというものだ。
「FRのシングルターボを楽しむなら、バランスを考えて500〜550ps付近がターゲット。それくらいなら、基本設計に優れるRB26純正のピストンやコンロッドで十分ですし、2.6L化とともにRB25のポテンシャルアップを妨げる“圧縮比の高さ”も最適化できる。なので、RB25チューニングの可能性は一気に広がりますよ」とは、オートセレクトの澤英一郎さん。
続けて「何よりも見逃せないのはコストパフォーマンス。純正パーツは価格高騰していますが、うちにはエンジンチューン時に不要となったRB26純正パーツが大量にありますから。ピストントップ加工や新品ピストンリングを加えても、ピストン/コンロッド/クランクの中古パーツ一式で約25万円と、リーズナブルに提供することが可能です」。
画像は71.7mmストロークのRB25(下)と73.7mmストロークのRB26(上)。ストロークアップで2.6L化が図れるだけでなく、カウンターウエイトの厚みを見ても分かるように、RB26のクランクシャフト流用で強度アップは十分に図れる。
RB25(右)と比較すれば一目瞭然だが、RB26(左)はコンロッドが太い。ちなみに、最大トルク37kgm台を引き出したER34後期のRB25には、RB26と同じコンロッドが純正採用されていた。
続いてピストン。ハイトはRB25とRB26で変わらないが、クランクシャフトの流用でストローク量が増えるためにピストントップを削ってから流用することとなる。チューニング内容に応じて狙いの圧縮比を割り出し、ヘッドカスケットと合わせて調整する。
純正のヘッドガスケットはパワーアップの際の不安材料でしかない。社外の強化ガスケットを導入してローコンプ化&強化することは必須項目だ。
将来的なモアパワー獲得を視野に入れるなら、ブロック側を加工してワンサイズ太いRB26用のヘッドボルトで強化するという手もある。もちろん、同様の考え方でコンロッドやピストンなどRB26用の強化エンジンパーツで鍛えても良いだろう。
オイルポンプはRB25、RB26で変わらず、ウォーターポンプは少し形状が異なるものの性能的に大差はない。ここでも走行ステージやチューニング度合いによって、RB26用の強化パーツを流用していくことができる。
RB25のエンジンブローは、圧縮比が高いまま無理にハイブーストを掛けての棚落ちが大半。ただし、ここまで派手にピストンが棚落ちしていてもシリンダーへのダメージは少なく、ボーリング加工&オーバーサイズピストンでカバーできる。メタルトラブルによるブローや通常オーバーホールならホーニングでOKだ。
「2.6L化する時に圧縮比を8.5付近まで引き下げれば、RB25はハイブーストが可能となりタービン交換で500psオーバーも狙えるようになります。うちは豊富にストックしている中古パーツを使用するので、価格面での満足度も高いですよ」とは澤さん。GT-RのDNAを注入して心臓部を鍛えれば、ECR33&ER34の可能性は大きく広がっていくわけだ。
●取材協力:オートセレクト 大阪府堺市美原区丹上221-5 TEL:072-363-0383
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