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男のハコスカ現代版! RB26DETT換装の俊足ランナー
高出力を日常使用するためのチューニングが満載!!
旧車人気が高まる中、程度の良いベース車探しが困難なほどの品薄(!?)状態が続いているハコスカ(KGC10)。1968年(昭和43年)にデビューし、レースでは数々の金字塔を打ち立てた伝説の名車だ。
当然ながらチューニングカーも星の数ほど存在するわけだが、ここで紹介するハコスカはある意味「最強」と言っても良いだろう。
ベースは元々L型エンジンが搭載されていたGTグレードで、外観は定番のGT-R仕様だ。リヤに装着された小振りなウイングとフロントのチンスポ、そしてお約束のオーバーフェンダーに赤白のGT-Rバッジ、当時の走り屋が憧れる最強スタイルを構築した。
そして心臓部。L型を撤去し、第二世代GT-RのRB26DETTを換装! もちろんノーマルではなく、トラストのT517ZタービンやHKSハイカムを組み込んだ600psとなる。ちなみに、オイルパンは2WD化に対応するため、輸出モデルのRB30用を容量増しして使用している。
なお、ハコスカをターボチューンする場合に問題になるのが、インタークーラーやラジエターの設置スペース。エンジン前方のスペースが極端に狭いため、この車両はコアサポートを作り直してインタークーラーと大容量ラジエターを配置。スペース不足で行き場を失ったオイルクーラーとエアコンのコンデンサーは、フロントタイヤの後ろ側にマウントしている。
オーナーは仕事も含めて街乗りで使いたいという希望を持っていたため、トランク下面をフラットに加工し、2連の大型タイコを持つマフラーを製作。驚くほど静かで、600psクラスのエンジンが搭載してあるとは思えないジェントルサウンドを実現している。
高出力を受け止めるべく、他のパートにもくまなく手が入る。とくに駆動系の強化は必須項目のため、ミッションはRB25用、ドライブシャフトはR31用、デフはDR30用にオイル容量アップの加工を追加して搭載している。
足回りは、フロントストラット、リヤセミトレーディングという基本構造は変えずにチューニング。サスはビルシュタインで、アーム類はフルピロ化済みだ。ブレーキはフロントにF50用ブレンボ、リヤはGT-Rキャリパーでディスクブレーキ化を敢行。リヤがツインキャリパーになっているのは、機械式のサイドブレーキを装着して車検に対応させるためだ。
ホイールは、ハブやベアリングを強化した上で17インチのメッキ&深リムをあえてチョイス。10Jのマイナスオフセットという強烈なサイズで、タイヤにはポテンザRE-01を組み合わせている。
室内はシンプルメイクだ。ドライバーズシートにレカロのフルバケ、ナビシートにR34用バケットを入れている以外はノーマル然としている。ボディは一度ドンガラ状態からスポット増しやフレームの追加を施し、高出力に耐えうる高剛性を確保。また、街乗りを前提にしているためカーペットを2重にするなどの防音対策もキッチリと施されている。
オーナーはこのハコスカで普段乗りからロングツーリングまで楽しんでいるそうで、本気で踏み切ればフルチューンGT-Rを撃墜できるほどのポテンシャルに大満足しているそう。ハーネス類は新世代の車両のモノを流用・加工して引き直しているので、旧車にありがちな電気系トラブルの心配もなし。まさに理想的なネオ旧車と言えそうだ。