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脳裏に焼き付いて離れない強烈なインパクト!
東京オートサロン1994でのデビュー後、大ブレイクしたヴェイルサイドの“コンバット”エアロシリーズ。このJZA80スープラは、そんなコンバットフォルムの究極系として1995年に発表されたコンプリートチューンドだ。(OPTION誌1995年4月号)
ファストバックからノッチバックへとフォルムを大改造
とにもかくにも挑発的なスタイリングアプローチだ。奇才・横幕宏尚率いるヴェイルサイドが描いた“C5コンバットエボリューション”。市販のコンバットエアロをベースに、フロントウインドウ&テールランプ以外の全パートを作り変えたという超大作だ。
ボディの造形は全体的に緩やかな曲面で構成され、ヘッドライトはスバルアルシオーネSVXのものを流用。そして極め付けは、水平開閉式のガルウイングの実装だ。ただ切った張ったしたのではなく、ドアパネルはショート化し、元々有った下部のパネルはサイドシルと溶接して一体化。ルーフカットによるボディ剛性の低下を補っているわけだ。
ボンネットも完全なワンオフで、エンジンルーム内の熱気を排出するアウトレットダクトを配備。その形状はボディ全体の雰囲気とのマッチングまで考慮されている。
サイドスカート部のデザインは非常に独特。フロントフェンダー後部のエアアウトレットも綺麗に処理されている。ガルウイング化に合わせて元のドアハンドルはスムージングし、ドアの下部に新設されている。
リヤはファストバックからノッチバックの美しいクーペスタイルへと生まれ変わり、独立したトランク内にはATL製の安全タンクを備える。コンバットウイングがインパクト抜群だ。
リヤビューも圧巻だ。マフラーはリヤバンパー内に収められる専用品を装備。ホイールもヴェイルサイドのオリジナルである18インチのアンドリューだ。
見た目だけで終わらせないのがヴェイルサイド流。心臓部の2JZ-GTEは、87φ鍛造ピストンにH断面コンロッドとフルカウンタークランクを組み合わせて3065ccまでスープアップ。そこにRX5タービンを2基組み合わせ、720psを発揮させている。
インテリアは、ヴェイルサイドオリジナルのバケットシート&コンバットステアリングを装備。メインメーターは360km/hフルスケールに交換され、ブースト計や燃圧計も備える。
惚れ惚れするほどの美しさだが、今後はさらなる進化の道を模索しながら、タイミングを見計らって筑波サーキットアタックを視野に入れた本格チューニングに乗り出す予定とのこと。そうしたヴェイルサイドの挑戦は、これからもさらに様々な方向へと、無限の広がりを見せていくに違いない。
●問い合わせ:ヴェイルサイド 茨城県つくば市真瀬1250-3 TEL:029-838-1104
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