「これはRB26DETTチューンの到達点なのか!?」2500回転から大トルクが襲うBNR34改ツインチャージ仕様!

GT-SSツインターボとGTS8550スーパーチャージャーのダブル過給!

遠心式スーパーチャージャーはターボとの相性も抜群

高回転型のRB26DETTでは、どうしても低中速トルクに物足りなさを感じてしまいがちだ。その改善策としてよく知られるのがVカム化なのだが、老舗J&Kは、そこに“秘策”を投入してさらなる低中速トルクの大幅増強を狙った。HKSのGTスーパーチャージャーを組み込んだ、ツインチャージャー化である。

このBNR34はGT-SSタービンでパワーを上げ、可変バルタイ機構“Vカム”で低回転域のトルクアップを目指すという、定番のRB26チューニング路線を歩んでいたオーナーカーだ。

当初は、さらなるトルク感を求めて2.8Lへの進化を考えていたが、定番仕様すぎて面白くないと見送り、J&Kと協議を重ねて遠心式スーパーチャージャーによるツイン過給方式を選んだという経緯がある。

選択したスーパーチャージャーはGTS8550。可変バルタイ+GT-SSツインというパワーユニットとのバランスを考慮してのチョイスだ。

システムとしては、吸気側はタービンで過圧した圧縮空気をスーパーチャージャーに送り込む直列式だ。低回転から大量にエンジンに吸気が入る(=トルクが出る)ことで一次背圧も高まり、結果としてタービンのレスポンスもアップする。

また、エンジンの状況によってはふたつの過給で送られる吸気の圧力が高まりすぎる領域も発生するため、余圧は吸気パイピングからリリーフ、吸気管内を過給状態で循環させることで、アクセルオン時に素早く燃焼室に吸気を押し込めるようにしている。

なお、J&Kはこれまで様々なツインチャージ仕様を手がけてきたが、その中で最もレイアウトに苦労したのがこのRB26だったとのこと。完成状態を見るとスッキリと装着されているように見えるが、実はプーリーやオルタネーター、カップリングファンのオフセット変更など狭いスペースでの辻褄合わせに苦慮したそうだ。

エンジンマネージメントは、Vカムシステムまで含めてF-CON Vプロ(4.0)が担当。ブーストコントロールは、ツインチャージャー化される以前から装着されていたEVC-Sだ。制御面ではスーパーチャージャーの過給特性とターボの過給特性の差となる部分を考慮し、2つのシステム間のバランスをセットアップすることがポイントになる。

マフラーは東名パワードのエクスプリームTi。メインパイプ89φのマフラーだが、二次背圧のコントロールと音量調整を兼ねてECVバルブで一部径を絞る。保安基準に適合させるため、上流部にはHKSスポーツキャタライザーを装備する。

オーナーが普段乗れるようにと、シンプルに仕上げているGT-Rだが、レカロSR7&ワンオフ張り替えされた純正ステアリングなどでレッドのアクセント色が入れられている。

足回りはHKSのハイパーマックスダンパーを軸に構築。ホイールはBNR34と抜群のマッチングを見せるBBSのLM、タイヤには275/30-19のアドバンネオバAD08をセットする。

「大きなタービンを装着してピークパワーを求めるのは簡単ですが、低速域が犠牲になってしまいます。ツインチャージャーはトルクバンドが広がることで質感が高く、街乗りも楽なパワーチューンを提供できるのが魅力ですね」とは、製作を担当したJ&K神保代表。

低速域から大トルクが立ち上がり、2500rpmから完全加速体制に入る感覚は、RB26チューニングの常識を完全に逸脱しているレベル。完全に4.0Lクラス、とても2.6Lとは思えないパワーフィールだ。それでいながら高回転域のパンチ力もあり、驚くほど吹け上がりも早い。この仕上がりは感動的ですらある。

落ち着いた佇まいからは想像も付かない圧倒的なハイパフォーマンス。チューニングカーとしては、もはや完成の域に達していると言っても決して過言ではない。

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●取材協力:J&K 千葉県山武郡九十九里町真亀629 TEL:0475-76-2714

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【関連リンク】
J&K
https://www.jk-power.jp/

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