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乗りやすさと耐久性も兼ね備えた450馬力エンジン搭載!
FAエンジンチューンの最先端を突き進む
ストリートからサーキットまで痛快に楽しめる1台として、NAチューニングを極めた後に、パワーとトルクを大幅に上乗せするターボチューンへ取り組んだ“t-get(ティーゲット)”のZN6型86前期。
当初、350ps仕様(エンジン本体ノーマル)からのアップデートとして予定していたのは腰下の強化によるハイブースト化だったが、「どうせエンジンを降ろすなら、現行モデルのFA24に換装してチューニングしよう」と方向展開。そう、ZN6前期×FA24改2.5Lターボ仕様という魅惑のパッケージを創出したのだ。
排気量アップで格段にトルクフルとなったFA24へのスワップは、多くのチューナーが注目しているところ。しかし、センサー類に互換性があるZN6後期はまだしも、ハーネスやECUの変更が大前提となるZN6前期の場合は、話が変わってくる。
ZN6前期にFA24を換装するにはマウント類やオルタネーターなどに加え、ハーネスやECUまで入れ換えなければならない。また、イモビライザーを機能させるためにボディコンピュータにも手を入れる必要があるのだ。
しかし、t-getではZN6後期ECUをベースに制御系を攻略して、FA24のスワップを見事に実現。さらに、HKS製のキャパシティアップグレードキットをセットして2.5L化への排気量アップも実施している。かなりのハードチューンだが、制御はZN6後期用のフラッシュエディターで楽に取り組めたという。
タービンはそFA20時代のGTIII-RSをキャリーオーバー。それでも、FA20がブースト圧1.0キロで350psだったのに対し、FA24改2.5Lでは0.8キロで450ps&58kgmを発生。全開にすればプロフェックで制御できないほどブースト圧が上昇していくことから、燃料強化が間に合わなかった今回はアクチュエーターを緩めて強制的に過給を落としていた。
ヒートグラデーションが美しいエキゾーストマフラーは、メイン70φのRH9フルチタンだ。これもFA20時代のままだが、容量不足の気配もなく十二分なパワーとトルクを味わえることから変更していない。
車高調はウィステリア×DG5のコラボモデル(F8kg/mm R10kg/mm)で、ブレーキはTRDから発売されているフロント6ポット、リヤ4ポット。ホイールはボルクレーシングNE24(FR9.5J+43)で、タイヤはアドバンA052(FR265/35-18)を合わせる。
室内は、シートこそレカロRS-Gに交換されているが、エアコンやオーディオなどは全て残した完全なる街乗り仕様となる。
ミッションはクワイフの6速ドグで、ドライブシャフトも“ながおテクノ”製の強化品を投入しているが、60kgmに迫るトルクに対してどこまで耐えられるかが懸念事項だという。
激変したエンジン特性に対するフットワークのリセッティングも含めて、取材当日(鈴鹿サーキット)では本領を発揮できていない状態だったものの、あっさりと過給機チューンの現行モデルに迫る2分21秒702をマーク!
問答無用の速さを秘めた魔改造FRスポーツ。t-getのZN6×FA25ターボが、今後どのように速さを引き出していくのか非常に楽しみだ。
●取材協力:ティーゲット 埼玉県行田市藤原町2丁目6-9 TEL:048-554-1345
【取材協力】
ティーゲット
http://www.t-get.com/