「名匠“RSヤマモト”渾身のBNR34ストリートスペック」心臓部は計算し尽くされた高耐久ツインターボ仕様だ!

ステップアップを見据えた絶妙なパーツチョイス

高強度なGTブロックで580馬力にも余裕で対応!

ターボエンジンを搭載したスポーツカーで、当然MTというのが大前提。さらに大人4人が乗れて荷物も積めて…と、絶対に譲れない条件をクリアできるクルマを探していったら、最後に辿り着いたのがBNR34だったとオーナーは振り返る。

ブーストアップにはじまったパワーチューンは、タービンブローを機にGT2530ツインへと進化。それと同時に、ボアアップで排気量を2620ccに拡大し、カムも264度が組まれることになった。これで、元々ショートストロークで超高回転型のRB26が、その性格をさらに強めたのも当然。「とくにカムに乗る5000rpm以上のフィーリングがノーマルとはまるで別物。レブリミットまでキッチリ使いきれる楽しさがありましたね」とはオーナーのコメントだ。

ところが、その仕様をシフトミスによるオーバーレブでブローさせてしまう。そこで、補機類はそのままGTシリンダーブロック+HKSの2.8Lキットという、現在の仕様が組まれたわけだ。メイキングを担当したのは、最高速チューンの名手“RSヤマモト(※)”である。

ボア87φ、ストローク77.7mmで排気量が2771ccとなるHKS2.8Lキャパシティアップグレードキット。仕様違いとして3タイプが用意されるうち、軽量鍛造クランクシャフトでレブリミットを9000rpmとしたステップ2が組まれる。GTブロックはN1ブロック以上に精度が高く、クラックが入りやすいヘッドボルトと水穴の間の肉厚も厚いなど、同じチューニングを施すにも大きなアドバンテージを持っている。それはGT2530ツインの580ps仕様には過剰すぎるとも言えるが、強度や耐久性が高いにこしたことはない。

もちろん2.8L化の効果も絶大。今後のタービン容量アップを考えて、カムを272度に交換したにもかかわらず、最大トルクの発生回転数が1000rpmも下がったことに注目だ。また、ブースト圧も3000rpmで立ち上がり、とくに4000~5000rpmのトルク感は前の仕様とは比べ物にならないほどだという。

オーナーいわく「高回転まで引っぱらなくてもポンポンッとシフトアップしていけるから、街乗りがすごく楽になった」とのこと。ただ、排圧が大幅に高まったことで7000rpm以上ではタービンのサージングが発生。エンジン本体の仕様に対してGT2530では、もはや容量が限界に達してるのも事実だ。

イモビライザーは使えなくなるが、セッティングの自由度がより高いBCNR33純正ECUを流用。クランク角センサーの配線だけ引き直せば、カプラーオンでイケるそうだ。

足回りにはクァンタム車高調とノヴァスプリング(F10kg/mm R8kg/mm)をセットし、リンク類もニスモの強化ブッシュタイプに交換。現状では調整幅をめいっぱい使って車高を上げているが、それでも低すぎるのが悩みの種だとか。

元々ホワイトだったニスモLMGT4(9.5J+30)はソニックシルバーで塗装。ブレーキキャリパーはフロントがブレンボF50キャリパー+355mmローター、リヤがトラスト4ポットキャリパー+330mmという仕様。カラーはロータースパークリングシルバーとされ、ボディ色のアスリートシルバーと合わせ、この1台でBNR34の純正シルバー全3色が揃う。

ニスモの320km/h&11000rpmフルスケールメーターが装備されたコクピット。追加メーターをゴチャゴチャ並べたくなかったというオーナーは、マルチファンクションディスプレイの存在もBNR34を選んだ理由の一つに挙げている。追加メーターとして装着されるのはトラストのブースト計のみだ。

ここから先のチューニングとなると、当然ビッグシングルという選択肢も出てくるが、そもそもRB26の基本設計はツインターボ。それだけにツインターボで進めたいというのがオーナーの希望であり、譲りたくない一線でもあるのだ。(※RSヤマモトは2011年に閉店しています)

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