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スズキのツインにターボエンジンは過激すぎる!
500kgの軽量ボディが実現するハイレベルな走り
スズキ・ツインは、シティコミューターをコンセプトにした2人乗りの軽自動車だ。全長2735mm、ホイールベース1800mmというディメンジョンは紛れもなく国内最小クラスで、最小回転半径はフルキャブオーバー型軽トラックとほぼ同等の3.6mを誇る。
そんなツインに、あろうことかKeiワークス用のK6Aターボエンジンを換装し、大幅なパワーアップを遂げてしまった魔改造スペックが今回の主役だ。
ツインに搭載されるノーマルエンジンはK6A(NA)だ。同型スワップのため作業は簡単…と思いきや、様々なハードルがオーナーを待ち受けていた。
例えばミッション。リンク式を採用するツインに対し、Keiワークスはワイヤー式なのである。そのため、シフト位置を移動させてワイヤーリンクを新たに作り直すなど、一筋縄では行かないポイントが多々あったそうだ。
ターボエンジン化によってエンジンルームの熱量が増えるため、その対策として三菱コルトターボ純正のダクトを加工流用。まるで市販品のようなクオリティだ。
ツイン用の大容量スポーツマフラーなどこの世に存在するわけがない。そこで、柿本改が販売するワゴンR用のGTボックス06&Sを加工装着して排気効率を稼いでいる。
ブレーキ周りなどはドナーとなったKeiワークスから総移植。足元を飾るのはボルクレーシングCE28の14インチ。タイヤはディレッツァDZだ。
サスペンションは、ブリッツのダンパーZZ-R(ワゴンR用)をベースに、リヤにストロークアップ加工を施したスペシャル。流用装着3セット目にして、ようやく理想のスペックが実現できたという。ちなみに、撮影日は降雪シーズンに備えて車高を若干アップした状態だった。
インテリアも拘り満載だ。ドライバーズシートはスパルタンなレカロRMSで、エンジン換装に伴ってフロント側に移動したシフト位置とバランスさせている。
サイドブレーキレバーは、ツイン(根元)とKeiワークス(バー部分) のニコイチ。これは、スナップオンのグリップを装着するためのカスタムだとか。
ドア内張りはアルミ複合材とレザーのワンオフ仕様だ。この状態がノーマルに見えるほど高い完成度を誇る。その他、各部の贅肉を削ぎ落とすことで車重は約500kgまで絞り込まれている。
2019年秋から製作を開始し、2020年に車検を取得して完成したというツイン・ターボ。現在は、通勤の足として活用しながら冬場になると雪の林道走りを楽しんでいるそうだ。気力旺盛に公道を走り回る唯一無二のマイクロホットハッチ、素敵すぎる!