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HKSのGTS7040をワンオフ装着して250馬力を発生!
ハイブリッド仕様を凌駕する加速性能を獲得
今回紹介するのは、先代エクストレイル(NT32)のGTスーパーチャージャー仕様だ。手掛けたのは茨城県古河市に店舗を構える“KBC”。キット設定のない車種のスーパーチャージャーチューニングを得意とする実力派ビルダーだ。
先代エクストレイルの国内ラインナップは、MR20DDエンジン(147ps)+RM31モーター(30ps)のハイブリッドと、MR20DDエンジン単独のガソリンモデルという二本立てだったが、取材車両は後者がベースとなる。
「ガソリン仕様は、ハイブリッドモデルからモーターを外したような仕様なんです。モーターが補っていた加速性能がなくて、高速道路や坂道の登坂性能が本当にストレスで…。そこで知り合いが出入りしていたKBCさんに相談してチューニングをお願いしたんです」とはオーナー。
KBCにとってエクストレイルのスーパーチャージャー化は初の試みだったものの、長年の経験と勘からインストールに問題はないと判断。オーナーが求める特性を聞きながら、得意のHKS製GTスーパーチャージャーを使ったボルトオン過給機仕様の製作に乗り出したのだ。
スーパーチャージャー本体は、2.0LエンジンにベストマッチなGTS7040を選択。これをオリジナルのアルミマウントプレートを介してオルタネーター上にセットした。インタークーラーやサクションパイプも全てワンオフだが、純正バッテリー等を撤去せずに避けながらレイアウトしているのが見事だ。
「機械的な取り付け作業はとくに問題はありませんでした。プーリー比はGTS7040の許容回転数ギリギリまで使う設定として、リストリクターでブースト圧を制限。このセットアップがハーフアクセルや踏み返し時のレスポンスに効いてくるんですよ」とは、KBC高瀬さん。
一方、エンジンマネージメントにはサブコンのF-CON iSを採用。アイドリング領域のセッティングが非常に難しく、エアフロセンサーの位置や高さを変更しながら作業を進めていったそう。ハードとソフトの両方から攻めたわけだ。
アイドリングが安定するようになってからはセッティング作業も順調に進み、F-CON iSでメインインジェクターを増量しつつ、足りない燃料を追加インジェクターで補完。同時に点火時期も最適化し、最終的にブースト0.65キロで約250psと、ノーマルから100ps近いパワーアップを達成した。
アクセルオフ時にスーパーチャージャーのコンプレッサーブレードに余計な負荷がかからないよう、ブローオフバルブを新設している。
フロントバンパーから顔を覗かせる前置きインタークーラーはHKS製のコアを使ったスペシャル。過給機仕様を感じさせるポイントだ。
フロントグリル内部に確認できるコアは、CVTクーラー(右側)とスーパーチャージャー用オイルクーラー(左側)。フレッシュエアを両コアに効率良く取り込めるようにレイアウトされている。
サスペンションはブリッツのダンパーZZR(F7kg/mm R10kg/mm)。ドレッシーなホイールはレイズのヴァルツフォージドA&N(21インチ)で、タイヤにはピレリP-ZERO(245/40R21)を組み合わせる。
「とにかく坂道の登りの加速が楽になりました。その他にもブローオフの音がしたり、バックタービンのような音がしたり、ノーマルのエクストレイルにはないメカニカルサウンドも気に入っています」とはオーナー。
こうして、胸のすく加速感を手に入れたエクストレイル。刺激的な過給機サウンドも含めて、そのクオリティはリアルチューンドそのものだ。
■SPECIFICATION
HKS GTS7040スーパーチャージャー、F-CON iS、パワーフロー、インタークーラー/570cc追加インジェクター×1/M’zスピードマフラー/ブリッツダンパーZZ-R(F7kg/mm R10kg/mm)/ピレリP-ZERO(245/40R21)/レイズヴァルツフォージドA&N(9.0J)/M’zスピードフロントバンパー/インパルサイドステップ/M’zスピードリヤバンパー/JAOSオーバーフェンダー
●取材協力:KBC 茨城県古河市高野713-3 TEL:0280-91-1133
【関連リンク】
KBC
http://www.s-kbc.com