「モチーフは伝説の大川ソアラ!」TD06ツインターボで500馬力を叩き出すMZ12を捕獲!!

ベースは6M-G搭載の希少グレードだ!

心臓部は6M-G改3.1L+TD06-20Gツインターボ仕様

1980年に大排気量スペシャリティクーペの草分けとしてデビューしたZ10系ソアラ。当時の最上級グレードは2.8L直6の5M-G(170ps)を搭載した2800GTエクストラで、イメージカラーであったベージュ&ブラウンの2トーンカラーを思い出す人も少なくないはずだ。

その後、マイナーチェンジで排気量を3.0Lに拡大した6M-G(190ps)搭載モデルが登場。中でも今回取材した3.0GTリミテッドは、エレクトロマルチビジョンやマイコン式オートエアコンなどをフル装備したフラッグシップであると同時に、じつは生産期間がわずか1年…という希少モデルだったりする。

そんな初代ソアラを6M-Gのままチューニングしているのは、黎明期の最高速シーンを賑わせたトラストのデモカー、俗に言われる“大川ソアラ”がオーナーの憧れであるからだ。

エンジン本体はHKSの7M-G用オーバーサイズピストンにリセス加工(6M-Gの2バルブに対して7M-Gは4バルブ)を施し、排気量を3.1Lまで拡大。さらに、ヘッドガスケットをトラストの2mm厚に交換して圧縮比を8.5にセットしている。

タービンはTD06-20Gツイン、ウエストゲートはHKSのタイプRで、ブースト圧をトラストTVVCでコントロールしているところがいかにもだ。

ウエストゲートは大気開放で、パイプエンドが右ホイールアーチ後方に突き出している。そのレイアウトは、かつてストリートゼロヨンスポットでよく見かけたS30Zを真似たものだそうだ。

と、エンジンチーニングの内容は80年代の香りをプンプン漂わせているが、制御系は今時の手法でまとめられている点に注目したい。

まず、燃料系は追加インジェクターをPFC-F CONで制御するかつての定番から、550ccのメインインジェクターのみに変更。さらに、点火系はRB26DETTのダイレクトイグニッションを流用することでデスビを廃している。マネージメントを担当するのはF-CON Vプロで、当然エアフロレス化も図られた。

これで最大ブースト1.5キロ時に500psを発生。同時に制御系の一新によってフラットなトルク特性と、日常域での扱いやすさも実現しているのだ。

足回りはフロントがAE92ショートストロークダンパー+メーカー不明の直巻スプリング、リヤがセリカ用ポテンザジムカーナに純正スプリングという、いかにも80年代風の組み合わせだ。

メーターパネル左側にタコメーターやATポジションを表示する他、テレビも見られるエレクトロマルチビジョンを標準装備。センターコンソールにはTVVCが確認できる。グローブボックスに埋め込まれているのは、水温、油温、油圧、燃圧の各追加メーターだ。

8つの調整機能を持った“8ウェイスポーツシート”。当時、トヨタのスポーツモデルの大半に装着されていた定番アイテムだ。3.0GTリミテッドは標準で表皮が本革になる。

ホイールは16インチのBBSメッシュでフロント7.0J、リヤ8.0J。フロントはクラウン用のハブを流用して5穴化できるそうだが、リヤは構造的に他車種からの流用が難しいため、前後とも4穴のままとしている。

「各部の近代化は効果絶大だったよ。ノーマルでは吸気量の測定がアバウトで吸気抵抗も大きいフラップ式を使っているし、燃料だって3気筒ごとのグループ噴射。それをエアフロレス&シーケンシャル噴射にしたら、エンジンの性格がガラリと変わったんだ」とは、メイキングを担当した“グローバル”の永井代表。

当時のチューニング技術では一発の速さこそあっても、信頼性の面で課題を残していたのが現実だった。それが、技術の進歩やパーツ精度の向上によって、80年代車でも“速くて壊れないチューニング”が可能になったというわけだ。

ちなみに、オーナーはZ20系→Z30系と乗り継いでZ10系に辿り着いた熱狂的なソアラフリーク。しかも、取材車両の他にブリスターフェンダー仕様とZ30系も所有しているというから恐れ入る。

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●取材協力:グローバル 岐阜県羽島郡岐南町平成2-105 TEL:058-374-8838

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