「80年代セドリックに魅せられて・・・」その気になればGT-Rをも堕とせる600馬力の鬼速セダン!

RB26DETT改TO4Rカットバック仕様で600馬力を発揮

ベース車両もチューニングも超個性的!

セドリックとしては6代目にあたるモデルが1983年に登場したこのY30型。それまで日産の主力エンジンだったL型に代えて、国産車としては初めてV6エンジン(VG30E/20E/20ET)を搭載したことが大きな話題となったモデルだ。

その翌年にはZ31型と同じVG30ET(220psのデチューン版)をラインナップに追加。1985年にはVG20ETが可変ノズルを持ったウイングターボ仕様にバージョンアップされた。

今でこそ、衝突安全性の問題からFR車に載せられるのは世界的にもV6エンジンが主流。そんな中、セドリック(と、その兄弟車グロリア)は、遥か20年以上も前にいち早く今時の流れに乗っていたのだから驚きだ。

ただし、VG系エンジンを搭載するのは普及グレード以上であって、“C&Yスポーツ”が手掛けたこのY30は、エンジンルームにCA20が収まった最もベーシックなスタンダードグレード。実際には、タクシーや教習車としての需要が多かったモデルだ。ボディの程度が抜群に良かったという取材車両も何を隠そう、元々は教習車だったりする。

そんなY30をベースにRB26DETTをスワップ。エンジン本体は基本的にノーマルのまま、タービン交換とそれに伴う燃料系の強化を行ってF-CON Vプロでセッティング…というのがエンジンチューニングの概要になる。

タービンはTO4Rカットバック。これに1.6キロの最大ブースト圧をかけて600psを絞り出している。フレアパターン仕様のヘッドカバーや、バフ掛けされたコンプレッサーハウジングにも注目だ。

RB26DETT換装に合わせて駆動系も当然強化。クラッチはOS技研のトリプルプレートを組み、ミッションにはECR33純正5速が流用されている。

もちろん足回りのチューニングも抜かりなし。フロントはストラットごとZ31後期用に交換することで、BNR32キャリパーのボルトオン装着を可能にしている。パッドはルービックスだ。また、車高調ユニットはTRDダンパーにHKSの直巻スプリング(8kg/mm)を組み合わせたワンオフ品がセットされる。

リヤにはY30のVG30搭載モデルに採用されるホーシングを移植。このホーシング移植は手っ取り早くデフの大容量化(H190→R205)が図れるのがメリットで、600psものパワーを受け止めるためには必死のメニューと言っていい。もちろん完全ボルトオンというわけにはいかないため、調整式ピロアッパーリンクをワンオフ制作してアクスルの位置を適正化している。

丸目4灯ヘッドライトとメッキバンパーが最廉価グレードの証。ボディラインが角張って見えるが、サイズ的には5ナンバー枠に収まっている。ホイールはカスタム系で定番のメッキタイプと迷った挙句、意外性を重視してボルクレーシングTE37に決定したそうだ。リヤには275/40-17サイズのニットーNT555Rを装着する。

直線基調の切り立ったインパネは、80年代中盤までの日産車に共通して見られるデザイン。チューンドらしさを感じさせてくれるのはオートメーターやデフィ(水温/油圧)くらいなもの。ステアリングやフロアマットなどは、一目でそれと分かるカスタム系パーツが使われている。

面白いのはそのチューニングコンセプトで、オーナーは「ゼロヨンマシンの雰囲気を漂わせながら、カスタム系のイベント会場でも絵になるクルマ」を目指しているそうだ。

と言うと、見た目だけのクルマのように思われがちだが、ラインロックを装備し、リヤにはニットーを履かせるなど、ゼロヨンの必須パーツももれなく装備。しっかりと戦えるスペックに仕上げられているのだ。

ベース車両もコンセプトも少し変わっているが、それこそオーナーが胸を張れる最大のアピールポイントなのである。

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●取材協力:C&Yスポーツ 愛知県愛知郡東郷町大字春木太子32 TEL:0561-38-8325

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