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涼しい顔で乗り回せる快適性も注目
往年の”ソレ・タコ・デュアル”をオマージュした現代版S30Z!
S30系フェアレディZの象徴とも言えるモデルが、今回紹介する240ZG。当初、輸出仕様のみに設定されていた2.4L仕様のL型エンジン(国内仕様は2.0L)を国内向けに仕様変更し、1971年から追加ラインナップされたものだ。
シャープなグランドノーズ(通称Gノーズ)とオーバーフェンダーを有する240ZGはたちまちZフリーク憧れの存在となり、特に空力性能をアップするためのGノーズは、ワイド&ローを強調するパーツの象徴として人気が爆発。同形状の社外品も多く発売されたほどだ。
そんなステータス性が高い240ZGの本物を現代風にリメイクしたのは、お馴染みの“ロッキーオート”だ。
まずエンジンは、オリジナルのL型ではなくスカイラインのRB25DEをスワップ。吸気系にはRB26DETT用の純正6連スロットルをインマニ加工でインストール。排気系には完全等長のEXマニを組み、ハイレスポンスな240馬力を創出している。
制御系は信頼性の高いF-CON Vプロを採用。燃調や点火時期などを綿密にコントロールしている。240馬力と聞くと大したことないように感じるが、L型の3.0Lチューンと同等と考えて良いだろう。
そして、縦デュアルマフラーを装備。吸排気環境は往年のセットアイテムである『ソレ・タコ・デュアル』の現代版と言えるもの。ツインカムエンジンの滑らかさと、荒々しい多連スロットルの交じり合ったフィールは、乗る人間の期待を裏切らない仕上がりだ。
エクステリアからは想像しにくいが、スカイライン用のオートエアコンも装備されている。真夏でも快適なドライブが可能と言うわけだ。
さらに快適性を徹底追及し、パワーステアリングはFD3Sのステアリングラックを流用して油圧式を実現。見た目は旧車だが、乗り心地や操作性は今時のスポーツモデルとなんら変わりはないのだ。
一方の足回りは、アラゴスタベースのロッキーオートオリジナル車高調を軸に構築。アームも見直され、ストリートに最適な乗り心地と路面追従性能を実現している。ブレーキはフロントがAPレーシングの4ポッドキャリパーに、ドリルドベンチローターの組み合わせ。
リヤのブレーキもディスク化。ホイールは定番のRSワタナベ16インチを装備している。
シートは革張りのレカロに変更されているが、極めてオーソドックスな仕上げ。ダッシュボードに割れ等はなく、ドアパネルも新品を使っているためオールド感は皆無。ナビやオーディオ、レーダー探知機なども装備しており、安心して長距離ツーリングも楽しめる環境が構築されている。
エクステリアのチャームポイントでもあるGノーズは、貴重なオリジナル品。ライトに関しては、しっかりとした光量と視界の確保を求めてクリアカットレンズ+HIDの組み合わせとしている。夜間の走行性はシールドビームとは段違いだという。
旧車らしい乗り味を残しつつ、涼しい顔で乗り回すことができるクルマ作りこそ、ロッキーオートが貫いてきたスタイル。「憧れの旧車を、楽しく乗りこなしたい」。そんなエンドユーザーの願望を叶えてくれる仕上げは、240ZGというスポーツモデルの質をオリジナル以上に高めたと言えるだろう。
●取材協力:ロッキーオート TEL:0564-66-5488
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