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フェラーリ風ではありながらレプリカではないのがポイント!?
JZA70スープラをフェラーリ・テスタロッサ風に仕上げた仰天マシンの登場だ。しかも、エクステリアはワンオフではなくボディキットとして販売されていたのから半端ではない。(OPTION誌2002年4月号)
全幅は驚異の1980mm! 細部の作り込みにも注目だ
「雰囲気が似てるな…」。JZA70スープラとテスタロッサのプラモデルを見比べながら、ふとそんな事を考えたマルシン商会(※)の佐藤さん。
試しに、それぞれのボディとシャーシを分解してパーツを入れ替えてみると、意外にも違和感がない。ならばと、実車のJZA70を用意し、フェラーリ風ボディキットの製作を開始。そして完成したのが、この独創的なワイド仕様だったというわけだ。
このボディキットのポイントはあくまで”なんちゃってフェラーリ”なところだそうで、JZA70スープラの雰囲気をあえて残すようデザインされている。ボディ幅は1980mmとかなりワイドだ。細部を見ていこう。
前後フェンダーの増量に合わせて、ドアパネルもワイド化される。通常、ドアパネルの厚みを増やす場合は、ドアを開けた際にフェンダーと干渉しないよう、切り欠きを設けるのがセオリーだ。しかし、このボディキットは高い設計精度で切り欠き無しでクリア。スッキリとした外観を実現している。
エンブレムもフェラーリ仕様だ。製品版ではここにシリアルナンバーが刻印されるそうで、「証明みたいなものですね。その番号で補修用のエアロパーツを安く購入できるようにします」とのこと。
テールレンズカバーはノーマルテールの外側に被せるシンプルなタイプ。それでもパッと見はかなりフェラーリっぽい雰囲気を演出していた。
フューエルリッドは室内のレバー操作で問題なく開く。また、オープン状態での固定も可能だ。給油口とボディパネルの位置関係を見れば、この車両のワイド幅がよく分かるというものだ。
ワイド化されたボディに合うように、リヤのワークマイスターS1はなんとオフセットがマイナス50。さらに70mmのワイドトレッドスペーサーを装着しているというから恐れ入る。
ちなみにこの車両、足回りは車高調ではなく海外製のエアサスが装備されていたりする。これはパフォーマンス目的ではなく、ストリートでの実用性を考慮した結果の選択だ。
リヤフェンダーはリベットで固定した上でパテ埋め。リヤハッチは枠だけノーマルを残し、ウインドウ部分にFRP製のパネルをはめ込む方式を採用している。「これはノーマルルーフですがタルガトップで作った方が雰囲気出たかも」と佐藤さんは言う。
ボディキットのプライスは75万円。よりフェラーリ風なルックスを求める人に向けて、中央を凹ませたボンネットやステーの長いミラーなどのオプションパーツも用意されるとのことだ。(※マルシン商会は現在閉店しています。)