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トラストのイメージを大きく変える濃緑のマシン
未知への挑戦、その反響は予想を遥かに超えた!
『トータルチューンナップ』をコンセプトに掲げ、いつの時代も国内チューニングシーンを牽引してきた“トラスト”。
「これまではパワーを追求する王道のチューニングをやってきましたけど、それとは別に、時代に合わせた新しい取り組みも必要なんじゃないかと思うようになりまして。というのも今後、欧州市場でもトラストという名前を売っていく目標があって、その足掛かりを探していたんです」と、トラスト広報の川島さん。
その取り組みの第一弾が、E36ターボというわけだ。
製作はエンジンチューンをトラストが担当し、エアロパーツは世界的に知られるイギリス人デザイナーのカイザ氏が手掛けたLTOをチョイス。足回りや内外装のフィニッシュは新進気鋭の“ムーンテック”が手掛けるという、三者による協力体制が取られた。
トラストとムーンテックのコラボはこれが2回目。昨年の東京オートサロン2023でトラストブースに展示された、青いワイドボディのRZ34を覚えている人も多いと思うが、それが2社による初の共同制作車両だった。その時は、川島さんからムーンテック田口さんに話を持ち込み、快諾を得た。
今回のE36ターボは、逆に田口さんから川島さんに協力を依頼。チューンドベースとして世界的に人気を集めるE36M3がベースであれば、欧州進出を狙うトラストとしては、まさに“渡りに船”だ。
一方、ムーンテックとしても、あのトラストがエンジンチューンを担当するとなれば、アピール度や注目度はさらに高まる。お互いウィン・ウィンの関係を築けるという道筋が見えたことで、E36ターボが生み出されたのだ。
ボディと同色系のグリーンでカムカバーが彩られた3.2ℓ直6のS50B32型エンジン。タービンは見た目の迫力も考えて、TD06SH-25Gがセットされる。シェイプドベイにワイヤータックも採り入れたエンジンルームはスッキリした印象だ。
エアリフトパフォーマンス製エアサスの装着により、スイッチ操作での車高調整が可能。写真は最も車高を落とした状態と走行時の車高だ。
ホイールはニュートレイルSCDの18インチ。フロント10Jマイナス30、リヤ13.5Jマイナス53を履く。また、トランクルームの実用性を犠牲にしないよう、エアサス用のタンクやコンプレッサーは本来スペアタイヤが収まる窪みにセットされる。
グリーンとキャメルの2トーンで纏められた室内。シートやダッシュボード、センターコンソール、ドアトリムの張り替えはもちろん、ピラーやルーフライニング、5点式ロールバーにまで特注のウルトラスエードが使われ、フロアカーペットもグリーンの特注品が敷かれる。シフトレバーはIRP製クイックシフターに交換。操作性を向上させている。
LTOブランドのエアロキットが選ばれたのは、トラストもムーンテックもデザイナーのカイザ氏と面識があったから。
実はカイザ氏は2023年、東京オートサロンに来場し、トラストブースに足を運んでいた。そんなカイザ氏と田口さんは、さらに古くからの知り合いで、SEMAショーでも顔を合わせるほどの親しい間柄だった…という話を聞けば、話題性の高さも含めて、LTOのエアロキットが選ばれたのはもはや必然だったと考えるしかない。
川島さんが言う。「昨年はRZ34、今年はE36M3ターボでインパクトを与えられたと思ってます。なので、“次は何をやってくるんだろう”と思わせたいです。実は、とあるプロジェクトが進んでいるので、タイミングが来たらお話ししますよ」。トラストが繰り出す二の矢三の矢には期待するしかない。
●取材協力:トラスト TEL:0479-77-3000/MOONTECH 群馬県伊勢崎市境下武士1516−1 TEL:0270-61-7495
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