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低車高ながらステアリング全切りにも対応
新進気鋭の『J,beat』が仕上げたワイド仕様の32タイプM!
GT-R仕様のFRスカイラインは数多く存在するが、このドリフト仕様のHCR32が放つ迫力はGT-R以上かもしれない。それを支えているのは、ワンオフフェンダーメイクを得意とするショップ“J,beat”製作のワイドなスタイリングだ。
フロントフェンダーはヤナック製をベースに、さらに20mm程度の拡幅を行なったワンオフモデル。トータルでのワイド幅は片側で60mm近いという。かなりの低車高ではあるが、切れ角をアップさせたショートナックル仕様でも問題なく全切りできる形状とされている。
リヤフェンダーはクロスファクトリー製のGT-R用をベースに加工を行ったもの。「GT-RとタイプMだと、アーチをはじめ各部の形状がかなり異なるので単純に貼り付けて加工…とはいかず。手間がかかりましたね」とはJ,beatの坂本さん。前後フェンダーがワンオフ加工品となったため、当然それに接続されるサイドステップやマッドガードも手直しが必要となったそうだ。
ホイールはニスモLM GT2のリバレル。これはLM GT2のディスクに社外(アフターパーツ)のアウターリップを組み合わせたもので、本家では存在しないサイズを生み出すアメリカ発信のカスタム術だ。サイズはフロントが17インチの11Jマイナス2、リヤが17インチの12Jマイナス13。リペイントも行われている。
サスペンションは326パワーのチャクリキダンパー(F20kg/mm R12kg/mm)でセットアップ。その他、フロントはニスモのアッパーアームや純正ロアアームの延長加工、リヤ側はオリジン製のトーコントロールロッド、アッパーアーム、トラクションロッドも投入してアライメントの自由度を高めている。さらに、リヤサスメンバーは取り付け位置を上方向にオフセットさせて、 ドライブシャフトの負担を減らす対策も実施済みだ。
リヤのトランクスポイラーはカーボン製だが、より艶やかな黒みを出すために適度にスモーク感の出るクリア塗装が施された。これによりカーボン目を活かしつつ、通常のクリアより引き締まったイメージとされているのだ。
スタイリングに並々ならぬ拘りを感じるが、ドリフト仕様ということでパワーチューニングも抜かりなし。エンジンはRB20DETのまま、GT-R用6連スロットルやS&Aオートクリエイトのベルヌーイエキマニ、HKSのGT2540タービンをセット。制御は純正ECUに専用基板を追加してフルコンに近いマネージメントを行えるNISTUNEが担い、ブースト1.2キロ時に320psを発生させる。
また、低車高のまま走れる仕様とすべくフロントパイプの短縮加工も実行。エキゾースト関係と地面のクリアランスはかなり余裕のあるものとされている。
延長サイドブレーキレバーがドリ車感を放つインテリア。リヤは内装まで取り外した上でボディと同色のペイントが施される。
角目ライトにガナドールミラーなど定番ポイントは押さえつつ、オンリーワンの存在感を放つHCR32。それは、オーナーの情熱とJ,beatの技術力が作り上げた、まさに究極のFRスカイラインと呼ぶに相応しい存在だ。
●取材協力:J,beat 埼玉県加須市騎西790−3 TEL:080-4164-1359
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