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通勤にも快適に使える500馬力のスーパーチャージャー仕様!
Z33用パーツをうまく流用しながらチューニング
このCPV35型スカイラインは、富士スピードウェイでのタイムアタックを楽しむために、スーパーチャージャーチューンを得意とする千葉県の“カーメイキングレヴュー”にてチューニングを進めたマシンだ。
オーナーは元々180SXでドリフトを楽しんでいたが、スカイラインへの乗り替えを機にグリップ派へ転向。今では、アタック時はリヤシートを外して軽量化に気を使うなど、どっぷりとタイムアタックの世界に浸かっている。
そして、ターゲットステージが富士スピードウェイだけに、パワーチューンも加速。HKSのGTS7040スーパーチャ-ジャーキットを軸に、腰下には鍛造ハイコンプピストンやH断面コンロッドを投入し、ヘッドもハイカム(264度)を組んで燃焼室加工も実行した。その結果、VQ35DEとしては頭一つ飛び抜けた、実測500ps/60kgmものパワーを叩き出しているのである。
なお、GTS7040はチャージャーのプーリーを80mmに変更することで、最大ブースト圧を0.9キロにセットアップ。並行してインジェクターも550ccに増量し、燃料ポンプはRH9と純正の2基がけで燃料の偏りを防いでいる。
また、VQエンジンに一貫して言えることだが、スーパーチャージャー化を施した車両でサーキットを走行する場合、水温と油温が厳しくなる。そのためこのCPV35でも、開口部の大きいフロントバンパーを投入してラジエターとオイルクーラーの容量アップを図っている。
排気系はEXマニからテールエンドまでHKS製で統一。リヤバンパーに開けられた開口部は、バンパー内のパラシュート効果を防ぐ目的だ。
サーキット走行において重要なパートとなる、足回りに工夫を凝らしていることにも注目したい。というのも、CPV35はクルマの性格上、走りに特化したアフターパーツが少ない車種である。そのため、オーナー希望の足回りやスプリングが適合していなかったのだ。
しかし、そんな悩みもZ33用パーツを加工流用することで解決。Z33用の直巻スプリングアダプターをはじめとしたパーツに加工を施し、車高調やスプリングの選択肢を広げているのだ。これはCPV35のチューニングパーツ全般に言えることで、基本的にZ33用を小加工することで解決できる…と、レヴューの前塚代表は言う。選択肢が広がることは、セッティングの幅が広がることに直結するだけに見逃せない部分だ。
一方の室内はストリート然とした仕上がりで、ブリッドのバケットシートとMOMOコンペティションステアリングでドラポジを最適化。オーナーはこのクルマを通勤にも使っているため、快適装備はフル搭載だ。
オーナーの使い方に合わせ、日常からサーキットまでカバーできるCPV35スカイライン。チューニングカーとして、ひとつの完成形と言っても決して間違いではないだろう。
●取材協力:カーメイキングレヴュー 千葉県袖ヶ浦市長浦580-74 TEL:0438-60-3133
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