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稀有な小型高級セダンに500馬力の強心臓を与える!
JZX110のパーツを流用しながら足回りもフルピロ化
トヨタの小型高級FRセダンとして、5ナンバーサイズのボディにセルシオ並の装備を盛り込んだ登場したプログレ(JGC11)。上級グレードだと500万円もした車両だ。
しかし、中古車相場は格安で、本革内装の上位モデルでも探せば30万円台から手に入るほど。しかも、エンジンはNAとはいえ1JZ&2JZを搭載し、足回りもJZX110系とほぼ共通。ツアラーV系のパーツを多く流用できるため、チューンドベースとしての資質は非常に高かったりする。
そこに目を付けたのがスワップチューンを得意とする“C&Yスポーツ”。NC300グレード(2JZ-GE搭載モデル)をベースに、各部を徹底的にモディファイし、サーキットでの速さを追求した大人のリアルチューンドを製作したのである。
エンジンは手っ取り早くパワーを引き上げられる2JZ-GTEにスイッチ。なお、2JZ-GE→2JZ-GTE化のエンジン換装作業は、C&Yの言葉を借りるなら「楽勝」。しかし、プログレのストラットタワーは大きく張り出しているため、タービンや補機類のレイアウトを見直す必要があったそうだ。その辺りの辻褄合わせが最も苦労したポイントとのこと。
レイアウトに難儀したタービンは、結果的に純正EXマニの2-1集合部のみをワンオフ製作してアクチュエーター式のGT3037プロSタービンをオーバーヘッドマウントする方法で解決。最高出力は低回転からのトルク特性と耐久性を重視した500ps仕様となる。同時に、ミッションもJZA80のゲトラグ6速を流用してマニュアル化済みだ。
インテリアは基本的にオリジナル状態をキープしつつ、ブリッドのフルバケとMOMOのスポーツステアリングでドライバーズポジションを最適化。
車両の各種情報はスタックST8100で集中管理。機能的なだけではなく、ダッシュボード周辺をシンプルに仕上げるのにもひと役買っている。
一方の足回りは、JZX110用のパーツを流用してチューニング。車高調はクスコで、アーム類はイケヤフォーミュラとクスコの調整式を使ってフルピロ化されており、スタビも強化済みだ。また、ブレーキはフロントがJZA80スープラ用、リアがSXE10アルテッツァの17インチ用に変更してストッピングパワーに磨きをかけている。
外装はほぼノーマルだが、可能な限りワイドなタイヤを履けるようにと前後フェンダーはワイド化。メルセデスを彷彿とさせるフェンダーデザインが斬新だ。
「他人と同じクルマは嫌だ!」という個性派チューニングフリークにとって、プログレは十分アリなベース車両なのではないだろうか。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
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