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排気量拡大+PS13タービン流用で230馬力を発生!
エンジン本体を強化する技ありの純正流用チューン
「ミニサーキットでの速さを追求したクルマです。純正パーツの流用なんかもうまく取り入れていますが、刺激的な走りを見せてくれますよ。もちろん街乗りもしますから、ある程度の乗りやすさは考えていますけど」とは、マシンメイクを担当した“EGマジック”の井島代表。
あらゆるチューニングに精通する井島代表に“刺激的”と言わせてしまうEP82型スターレット、確かにスペックを聞くだけでもかなりヤバイ。
まずエンジン。4E-FTEの腰下には純正1mmオーバーサイズのエスコート製鍛造ピストンをセットし、排気量を1331ccから1367ccへとスープアップ。ヘッドにもキッチリと手が加えられており、シートカットととも4A-G用バルブを流用してビッグバルブ化する他、シム調整をより緻密に行うためSCP10用バルブリフターも流用。さらに、吸気側カムに5E-FHE用をセットすることで、作用角を224度から240度へと拡大している。
そんなエンジン本体にオリジナルEXマニを介して装着されるのは、PS13シルビア純正タービンだ。なお、アウトレットパイプは純正を加工して装着、マフラーはステンレス製のワンオフ品でメインパイプ径60φのストレート構造となる。
井島代表によると「エンジンルームのスペース的にタービンサイズはあまり選べないですね。現状でパワーFCでセッティングして、最大ブースト圧1.2キロで220〜230psくらい。特性もターボらしくて楽しいですよ」とのこと。
インタークーラーはお店に在庫していた中から適度なサイズのコアを探し、パイピングを製作してフロントバンパー裏にセット。他車種の純正コアだが十分な冷却性能が得られているとのこと。
また、ミッションをAE111用6速MTに換装しているのも見どころだ。ローギヤード化が主な目的なのだが、5速MTのままファイナルギヤだけ交換すると、高速巡航時にエンジン回転数が必要以上に上がって辛い。そこで、5速MTよりもギヤ比がクロスしていて、トップギヤのレシオも高いAE111用6速MTをスワップすることを考案。強度に多少不安があるとのことだが、実用性とサーキット走行の両立を考慮したチョイスになっている。
サスペンションはアペックスN1ダンパーで、スプリングレートはフロント12kg/mm、リヤ6kg/mmをセット。フロントブレーキはFD3S用キャリパーとEK9用ローターを流用することで強化している。
ホイールはアドバンレーシングRGII。タイヤはフロントがポテンザRE11でリヤがポテンザRE55Sだったのだが、リヤの195/55-15に対して、フロントはなんと225/45-16。速さを求める本気度がよく分かるサイズ選択だ。
ダッシュ貫通式ロールケージが覆い尽くす室内は、デフィ追加メーター(水温/油温/油圧/ブースト)をセンターコンソール上部にまとめ、リヤシートやフロアカーペットなどは軽量化のため撤去。また、運転席右側のエアコン吹き出し口にはブレーキバランサーがセットされている。
匠の技によって刺激的に仕上げられたEP82スタタボ。830kg(前期型)の軽量ボディと230psの強心臓が生み出す走り…、100パーセント操ることができればミニサーキットや峠で敵なしだろう。
●取材協力:EGマジック 愛知県瀬戸市美濃池町72-1 TEL:0561-86-0933
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