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カペラの2.0LブロックにBPヘッドをドッキング!?
あえてノーマル風に拘ったエクステリアもポイント
愛機(NA8C)のパワーアップを目論み、「ロードスター+ターボ」でネット検索してメカドックに辿り着いたというオーナー。その後はメカドック大槻代表とともに、ストリート快速スペックを目指して改造を重ねて行くわけだが、このNAロードスター、とにかくパワーユニットが面白い。低速トルクの増強を追求した結果、なんとカペラ等に搭載される2.0LのFS-ZEエンジンのブロックを使って排気量アップしているのだ!
腰下に使うFSブロックのボアストロークは83φ×92mm。ここに86φのスーパーテック鍛造ピストンを組み込んで2.2L化を達成している。
「マルハモータースさんの2.1Lキットという選択肢もありますが、あのキットのストローク量は89mm。対するFSエンジン仕様は92mm。このエンジンの狙いはパワーでは無くロングストローク化による低回転でのトルクアップ。その差は大きいですよ」と大槻代表。
エンジンルームを見ると“普通”だが、元々FFエンジンであるFS-ZEを縦置きにするためにはオイルラインやストレーナー位置の変更(オイルパン作り直し)等、かなりの部分に手を入れなくてはならなかったそうだ。
また、ヘッドには「ノーマル風なエンジンルームが良い」という要望に応えるため、2代目NBのBP用を搭載している。「エンジン製作はもちろん、公認を取る作業も大変でしたね。前例がない仕様ですから。書類を作っては陸自に持ち込んで、認可を取るまでに7回は落とされました!」とのこと。
排気量アップする前から組み込まれていた、HKSのGT2510ボルトオンターボシステムはそのまま採用。2.2Lにはかなり小さいサイズだが、ストリートを前提とするなら十分。これを60φのフルエキゾースト環境と合わせることで1500rpmからブーストが立ち上がる特性を手にしている。最高出力は抑えに抑えて220ps、レブリミットは7500rpmだ。
ちなみに制御にはeマネージのアルティメイトを使用。この車両はSr2で純正ECUが16bitのため、街乗りチューンならわざわざ高価なフルコンを投入する必要はないという、コストパフォーマンスまで考えた大槻代表の判断だ。
エンジンルームをまたぐ見慣れないパイピングは、水冷インタークーラーだ。オーナーの強い要望で取り付けたそうだが、当初はラジエターの水を利用していたものの吸入空気温度が上がりすぎるため、後に完全独立で再設計。ウォータータンクを設置し、循環用のウォーターポンプにはメルセデス用を流用している。
FSブロック仕様はエンジン高が30mmアップするため、それに合わせてボンネットには逃げ加工が施されている。「苦労しましたね。ダクトを設けているのですが、そのままでは強度が不安だったから裏に骨を作ったり手間をかけています」とのこと。
ミッションはジュラルミン製のアタッチメントプレートを製作した上で、元々の4速ATをドッキング。ちなみにオートマ自体は200馬力以上からATF温度が厳しくなるため、ATFクーラーを導入して対策している。
外装はボンネットダクトが目立つ以外はノーマルをキープ。これこそがオーナーの拘りで「純正バンパーで、エンジンオイルクーラーにATFクーラー、水冷インタークーラー用ラジエター、もうギリギリで本当に大変でしたよ(笑)」と大槻代表。
完成までに費やした期間は約5年(2年は作業が止まっていた)。過去に前例のない排気量アップチューニングだったため、作業はトライ&エラーの連続だったそうだ。オーナーの熱い想いとチューナーの意地が作り上げた唯一無比の2.2Lターボ仕様、素晴らしいストリートチューンドだ。
●取材協力 メカドック 埼玉県富士見市下南畑661-1 TEL:049-265-4987
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