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トヨタ直6ターボエンジンを換装した完全公認仕様
トルクフルな1JZターボで待ち乗りもサーキットも楽々
一言で邪道。FD3Sに直6の1JZ-GTEを積み込むなど、やはり掟破りという他にないだろう。
そんな前代未聞のチューニングを手掛けたのは、ご存知“C&Yスポーツ”。シルビアに1JZ-GTE、アルテッツァにRB26DETT、AW11に3S-GTE…等々、多彩なエンジンスワップの実績を持つ名門ショップだ。
エンジンスワップには様々な方法があるが、このFD3Sの場合はサスメンバーの加工で達成。大幅なボディ加工は行っておらず、これについては「ボディを切った貼ったすると、強度検討など車検取得のための手間も費用も増えてしまいます。あくまで公道仕様が条件なので」とのこと。
エンジン換装の苦労話は尽きないが、ボンネットの高さに納めることもその一つ。1JZ-GTEのエンジン高対策として、タービン周辺のパイプ類をワンオフ製作した上で、ボンネットにはFD3Sのボディラインを崩さないパワーバルジを設けている。ちなみに、リトラクタブルヘッドライトは問題なく機能する。
触媒は、搭載するエンジンの純正品をレイアウト変更せずに使用。これによって、車検を通す際に排ガス浄化装置の変更など面倒な手続きを減らすことができるのだ。
エンジンマネージメントはハーネスを引き直した上で1JZ-GTE純正を採用する。
プロペラシャフトはFD3S用とJZX100用を合体させたワンオフスペシャルで、デフ以降の駆動系はFD3Sのままだ。なお、FD3Sの背骨ともいうべきパワープラントフレーム(ミッションとデフキャリを支持するパーツ)は、メンバーを新規製作した上でそのまま活用している。
室内はMOMOのステアリングとブリッドのフルバケが装着されている程度でノーマル然とした印象だ。 エアコンをはじめとする快適装備は全て残されている。
ミッションはJZX100用のR154(5速MT)をドッキング。シフト位置はもちろんストローク量まで計算されているため、操作性に違和感はない。
メーターはタコメーターのパルスを変更し、1JZ-GTEエンジンに対応。FD3S純正メーターがそのまま使われていることもあり、エンジン換装というハードメイクが行われていることを全く感じさせない。
バッテリーはリヤゲート内に移設。エンジンルームにスペースが確保できなかったためだ。
生粋のロータリーフリークからすれば、認めることなどできない存在であることは間違いない。しかし、メンテナンスや燃費に気を使わず、トラブルフリーでRX-7を楽しめるという意味では「最高のチューンドFD3S」なのかもしれない。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
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