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RB26を知り尽くしたレイマックス流モディファイ
カム交換+ブーストアップで全域フラットなストリート仕様の極意
BNR34のモデル末期に1000台限定で登場した「Nur(ニュル)スペック」。N1仕様をベースとして手組みされたエンジンは、各部のクリアランスや精度を徹底して突き詰めた“特別なRB26”と言っていい。そんなエンジンに魅せられたファンは多く、このBNR34オーナーもその一人。「エンジンこそが購入の決定打になった」と言い切る。
しかし、いくらニュルスペックエンジンが特別なRB26とはいえ、所詮はノーマル。すぐに物足りなさを感じるようになったオーナーは、Gr.AやGTマシン用のレーシングエンジン設計・製作の他、ニスモ400R用2.8Lエンジンを供給していた日産工機をルーツに持つショップ“REIMAX(レイマックス)”に相談を持ちかけた。
大のレースファンだったオーナーにとって、グループAからJGTCに到るまでレース用RB26を手がけていた日産工機は憧れの存在。「いつかはGT-Rを手に入れて日産工機でチューニングしてもらいたい」と抱き続けた強い思いは、その流れを汲むレイマックスに託されるというカタチで実現したわけだ。
オーナーが依頼したのは、エンジンフルオーバーホール+カム交換というメニュー。まず、オーバーホールはRB26を知り尽くした職人によって、ニュルスペック以上のクリアランス管理と精度の追求をもって行われる。単にパワーを求めるのではなく、RB26という機械としての完成度を高めることこそが何よりも重要とレイマックスでは考えているのだ。
その上でカムシャフトをオリジナルの“高出力ストリートカム”に交換。ノーマルのインテーク240度&エキゾースト236度に対して、このカムは256度&248度という作用角を持つ。リフト量はノーマルと変わらないため、チューニングカムとしては大人しい仕様だが、オーナーが求めた全域フラットなパワー特性を実現するにはこのカムがベストだった。
これで元々組まれたN1タービンに1.3キロのブースト圧を掛け、得られたパワーは430ps。エンジン特性を含め、ストリートをラジアルタイヤで走ることを考えれば、この辺りがバランス的にも優れている。
足回りはインパルがプロデュースするオーリンズベースの車高調を装備。これは“日本一速い男”こと星野一義氏がセッティングに携わったという逸品。性能よりブランドで選んだパーツだというが、今となってはその高い性能に大満足してるそうだ。
ホイールはエンケイのNT03+M。同じベイサイドブルーのBNR34が装着していたのを見て「コレしかない!」と一目惚れしたそう。スポークが細い分、ゴールドの純正キャリパーがより引き立つのもお気に入りのポイントだ。
室内に組まれるチューニングパーツは、パワーFC(フルコン)のFCコマンダーのみ。ただ、自分でECUセッティングをすることはなく、各種データの確認用として使っているという。マルチファンクションディスプレイがあるため、追加メーターの必要性も感じていない。
街乗りでの扱いやすさを一切犠牲にすることなく、純正タービンの性能を使い切る。それがRB26を知り尽くしたレイマックスの提案であり、オーナーが望んでいた最高のストリートスペックだったのである。
●取材協力:レイマックス 神奈川県横浜市金沢区福浦2-14-28 TEL:045-791-8486
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