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上質さを徹底追求したオーバー600馬力のプレミアムチューンド
Mスペックが持つプレミアム性を全域で底上げ!
このスカイラインGT-Rは、第二世代最後のGT-RとなるBNR34の中でも、プレミアム感が強いMスペックをベースにしたチューンドだ。手がけたフェニックスパワーの横山代表は「Mスペックこそが、最もBNR34らしいアレンジである」と自身の見解を述べる。
日産がMスペックで表現したプレミアムスポーツ性。それこそが、過去に様々なチューンドGT-Rを手がけてきた横山代表が求め続ける“ストリート仕様”としての理想形だったのだ。そしてこのMスペック改は、ノーマルが有するキャラクター性の底上げをコンセプトに全方位に渡って手が入れられている。
腰下はノーマルのまま、ヘッドに可変バルタイシステム“HKS Vカムシステム ステップ1”を組み込み、低中回転域でのトルク不足をカバー。そこにトラストのT78-29Dタービンをセット。エキゾーストハウジングは17cm2を選ぶのがセオリーだが、低回転域のトルク特性を考慮してワンサイズ小さい14cm2を選択しているのもポイントだ。
スロットルはシングル仕様という選択もあるが、レスポンスの良さを重視して純正の6連+大容量サージタンクという仕様を与えた。各パイピングやオイルキャッチタンク、ウォッシャータンク等は全てワンオフで、溶接跡を研磨した上で丁寧にバフ掛けされている。美しさにも徹底的に拘っているのだ。
制御系も独特。第二世代GT-Rは、純正エアフロセンサーを撤去してDジェトロ化(圧力制御)するのがチューニングのメインストリームとなっているが、エアフロを生かした方がオールシーズンで扱いやすい特性を作れると断言。Z32エアフロ+パワーFCによるコントロールを選択している。
これらのセットアップにより最高出力は626ps、5000rpm付近で64kgmもの最大トルクを発生するパフォーマンスを手にしている。
さらに、足回りは不快な突き上げを排除して上質な乗り味にアレンジしたアラゴスタ車高調ベースのオリジナルスペックをセット。ブレーキも前後にエンドレス6&4POTキャリパーを装着して、ストッピングパワーの強化も抜かりはない。
一方、インテリアも本革仕上げのMスペック純正内装に合わせてシートはレカロのスポーツJCレザーブラックを導入。
また、電動シートのコントローラーはFCコマンダーとともにコンソールボックス内にインストールして上質感を追求している。
外装もしかり。BBSホイールやニスモのエアロを追加する程度におさえ、あくまでもノーマルライクなルックスをキープしているのである。なお、リヤディフューザーにはNISMOのフィンを追加しているが、駐車場での利便性を考えてわずかにカットされていたりもする。
Mスペックのキャラクター性を尊重して仕上げられたBNR34。それはどこか落ち着きのある大人のチューンドだったのだ。
●取材協力:フェニックスパワー京都店 京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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