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3S-GE改TD06-25Gターボ仕様を搭載!
最初に買ったアルテッツァを愛し続ける男
免許取得後、最初に購入した愛車を浮気することなく今でも乗り続けている岡田さん。アルテッツァ歴はすでに20年を超えているという強者だ。
アルテッツァは、“FR+MT+4ドア+5ナンバーサイズボディ”という貴重なパッケージングを採用する存在だが、絶対的なパワー不足を指摘する声も大きい。
岡田さんもどうにかパワーを稼ごうと、パワーエンタープライズの遠心式スーパーチャージャー仕様にはじまり、S13純正タービンを使ったボルトオンターボ仕様、腰下に3Sターボのコンロッドを組み込んだTD06-25Gターボ仕様…など、様々なパワーチューンを実行。そして、2018年に大幅なモディファイを敢行し、現在のスペックまで辿り着いた。
手がけたのは、埼玉県の名医“ブラックライン”。アルテッツァとしては最強クラスのパワーチューンド、じっくり見ていこう。
心臓部の3S-GEは、腰下に戸田レーシングの87φローコンプピストンとJUNオートのI断面コンロッドを投入。ヘッドは燃焼室加工やポート研磨を行った上でカムもJUNの290度/13mmリフトという強烈なハイリフトを組み込んだ。
そんな強心臓に、42.7φのワンオフEXマニを介して以前と同じTD06-25Gターボをセット。F-CON Vプロ制御で最高出力は520psに達するという仕様だ。
ハイチューンドは高回転域での失火が命取りになる。そのため、ブラックラインでは16Vまで昇圧する点火システムを開発。RB系のイグニッションコイルと日産イグナイターを4個ずつ使い、これを昇圧機で16Vまでアップさせるのだ。「点火系が劣化している個体も増えてきているから、どんなクルマにもお勧めだよ」とはブラックライン鈴木代表。
インファンネル式のサージタンクはブラックラインのワンオフ。スロットルも電子制御式はキャンセルして80φのワイヤー式に変更済みだ。このあたりの美しい造作は、ブラックラインならではだ。
バンパー開口部いっぱいに広がる前置きインタークーラーも、ブラックラインによるワンオフ品。ラジエターはアルミ2層式でしばらく走らせていたが、渋滞時の水温上昇が気になって銅3層式にシフトしたそうだ。
トランクにはコレクタータンクや燃料ポンプ(デンソー×1にボッシュ×2)を配置。フューエルラインはアルミで美しくレイアウトされ、非常に見栄えがするシステムを構築している。
エアロパーツはフロント&リヤバンパーがシーウエストで、サイドは純正。520psの強心臓を全く感じさせないエクステリアは、まさに“羊の皮を被った狼”だ。
車高調は、アペックスN1ダンパーからHKSハイパーマックスMAX4(F14kg/mm R16kg/mm)に変更。岡田さんのライフスタイルに合わせて、その都度、最良の仕様にしているのだ。
追加メーターが乱舞するスパルタンな室内。赤いボタンはラインロック用で、ゼロヨン大会等に参戦するときに使用する。ミラー下に確認できるのは、ブラックラインの人気メニューでもある吊り下げ式のメーターホルダーだ。
20年かけて520ps仕様にまで進化した岡田アルテッツァ。今後の目標は趣味のゼロヨンでタイムアップ(現在14秒)することなのだとか。岡田さんとアルテッツァの走り屋ストーリーは、まだまだ続いていきそうだ。
●取材協力:ブラックライン 埼玉県川越市下広谷690-1 TEL:049-239-6667
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