「実は2ドアクーペにも存在したR31スカイラインRB20E搭載モデル」GTS-Xというグレード名に惑わされるな!

予想を超えたスポーティなフィーリング!

もしかしてRB20DEより楽しいかも・・・!?

7代目のR31型、通称“セブンス”スカイラインの登場は1985年8月。当初は4ドアセダン/ハードトップ、ワゴンでの展開だったが、翌1986年5月に2ドアクーペがラインナップされた。

搭載エンジンは2.0L直6のRB20シリーズで、ツインカムターボDET(180ps/23.0kgm)、ツインカムDE(グロス165ps/19.0kgm)、シングルカムE(グロス130ps/18.5kgm)の3種類が用意され、それぞれに5速MTと4速ATが設定された。

ややこしいのはグレード名で、まず搭載するエンジンに関わらず上級GTS-Xと装備を簡略化したGTS(RB20E搭載車は除く)が存在。その上で、RB20DET搭載モデルは“ツインカム24Vターボ”、DE搭載モデルは“ツインカム24V”という名称が、GTS-XもしくはGTSのあとに付くのだ。

つまり、RB20Eを載せる廉価グレードはツインカムターボでもツインカムでもないため、ただのGTS-Xということになる。

HR31と言えば、まずグループAホモロゲモデルGTS-R、続いてGTS-X/GTSツインカム24Vターボで、正直NAモデルは影が薄い。それがツインカム24Vでもない、ただのGTS-Xならなおさらだ。

今回は世界唯一のR31専門ショップであるR31ハウスの協力を得て、奇跡的に実車と実車と相対することができたのだが、それは4ドアモデルのGTではなく、よりレアな2ドアクーペのGTS-X! もはや、天然記念物と出会ってしまった感覚に襲われてしまった。細部を見ていく。

同じ2.0Lの6発シングルカムでも、先に登場したトヨタ1G-EU型が吸排気ターンフローなのに対し、RB20E型はクロスフローを採用。L型で言えば幻のLYヘッドが始めから載っているようなもので、そう思うとありがたみも増すはずだ。

取材車両はR31ハウスオリジナル等長エキマニ、“たこあしMAX”を装着。エアクリーナーもムキ出しタイプに交換された吸排気チューン仕様となる。

ボディと同じく直線基調でデザインされ、好き嫌いが別れそうな80年代感満点のインパネ周り。ステアリングはパーソナル製に交換される。メーターは中央にスピードメーターとタコメーターが並び、右に油圧計と、デフィリンクディスプレイの陰に隠れてしまっているが水温計を配置。左は電圧計と燃料計だ。

GTS-Xには純正でもデュアルテールマフラーが備わるがアフター品に交換。“たこあしMAX”と合わせて排気効率を高め、中高回転域でのパワーとスムーズな吹け上がりを実現する。さらに、実用エンジンとは思えないスポーティなサウンドを聴かせてくれるのも大きな魅力だ。

基本、実用トルク型のシングルカムらしく、2000rpmシフトとか、かなりダラけた走りにもしっかり応えてくれる。それでいて3500rpmからはエキマニ&マフラー交換の効果がバッチリ感じられ、次第にトーンを高めていくエキゾーストサウンドに合わせてパワーも盛り上がってくる。

さらに、レスポンスに鋭さが増すのは4000rpmからで、決して軽いとは言えないが、非常にスムーズにエンジンが吹け上がっていく。そのままタコメーターの針はイエローゾーンが始まる6000rpmを易々と突破し、6600rpmからのレッドゾーンに飛び込んでいった。そのスポーティな感覚は予想を大きく上回るものだ。

持ち味の低中速トルクはそのまま、高回転域での伸びとパワーが向上。坂祝の山道を走りながら思ったのは、「これならノーマルのRB20DEより速くて楽しいかも?」ということだ。

■SPECIFICATIONS
車両型式:KHR31
全長×全幅×全高:4660×1690×1365mm
ホイールベース:2615mm
トレッド(F/R):1425/1415mm
車両重量:1270kg
エンジン型式:RB20E
エンジン形式:直6SOHC
ボア×ストローク:φ78.0×69.7mm
排気量:1998cc 圧縮比:9.5:1
最高出力:130ps/5600rpm
最大トルク:18.5kgm/4000rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ:FR195/60R15

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TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:R31ハウス TEL:0574-28-0899

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