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T25Gタービンをドッキングして200馬力を獲得
注目はEP3シビック風のインパネMTシフトだ!
1996年に若者向けのトールワゴンとして登場したS-MX。4人乗りと5人乗りが用意され、走行時のホールド性よりも背もたれを倒した時のフルフラット感を最優先に考えた前後ベンチシートの採用が話題になった。
エンジンは130ps(前期)を発生させる2.0L直4のみの設定だったが、パワー不足を痛感したオーナーはチューニングを決意。そこで選んだ手法は、ボルトオンターボ化だった。
B20Bエンジン本体はノーマルのまま、HKS九州サービスのT25Gタービンキットを装着。レギュレーターで燃圧を上げ、純正インジェクター容量使い切りの最大ブースト圧0.4キロで実測200psを発揮するまでにパワーアップ。エンジンマネージメントはパワーFCが担当する。
マフラーは左右両出しとされたワンオフ品。重低音の効いた迫力のエキゾーストノートを聞かせてくれるだけでなく、リヤビューの強烈なアクセントにもなっている。
ミッションは純正ATではターボパワーに耐えられないため、思い切ってMT化を敢行。ミッション本体はCR-Vやオルティアなどに搭載されるワイヤー式の5速MTを流用しているそうだ。シフト位置にも拘り、ダッシュボードを外し(クラッチペダルの装着があるからフロアシフトでも同じ作業が必要)、センター部分にフレームを組んだ上でシフトレバーをセット。見事、EP3シビックのようなインパネシフトが完成したのだ。
足回りにはタナベ車高調をセット。コーナリング時のロールを効果的に抑え、ミニバンなのに曲がるのが楽しいクルマに変身させてくれる。
実際に走ってみると、ステアリングのすぐ脇にあるシフトレバーは操作しやすいの一言。しかも、ストローク量が適度で、ギヤの確定もしっかりしているため印象もすごく良い。2500rpm付近から十分なトルクを発揮するターボエンジンとのコンビネーションで、ワインディングの上りなども楽しく走れる。その完成度の高さは、完全にS-MXの“タイプR”だ。