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心臓部はレブリミット9300rpmの2.2Lメカチューンユニット!
走りと見た目のギャップもオーナーの狙い
漆黒のボディにメッキモールと大径ホイールで、シックにキメたS15シルビア。ボンネットを開けると現れる、激しくチューニングされたNAエンジンがミスマッチにも感じられるが、実はそれこそが狙い。このチューンド、十勝インターナショナルスピードウェイなどを走り回るタイムアタックスペシャルだ。
コンセプトは「普段乗りにも使えてサーキットでも速い」。そう、エクステリア&インテリアのコンセプトと走りの狙いのギャップこそが、このシルビアの魅力であり見所なのだ。
目立たない箇所も、例えばタイヤを外すとインナーフェンダーがシルバーで塗装されていたり、ナックルがバフ掛けされていたりと、細部にまで手が行き届いている。こうした細部の作り込みが全体的な完成度を高めるポイントとなっているのだろう。
また、車高を限界まで落としつつ走行性能に悪影響が出ないように導入したイケヤフォーミュラのフルピロアームは、見た目と機能性を両立させるためのキーパーツだ。なお、メンバーはデフまで含めてGT-Rを換装、ブレーキキャリパー&ローターは前後ともBNR32純正に変更されている。
そして中身の方は、さらに大人の本気度満点。S13用のストレートポートヘッドを使い、SR20DE本体は東名パワード鍛造ピストンとフルカウンタークランク、S14ターボ純正加工コンロッドで2.2L化。ヘッドにはS13用のストレートポートヘッドを使い、280度(リフト12mm)のハイカムをセットする。そこにパルサーGTi-R純正インマニとファンネル仕様の4連スロットルをドッキング。
そんな強心臓をモーテックm4で綿密に制御することで、最高出力285ps、レブリミット9300rpmの高回転型ユニットを作り上げている。
一方の室内は、ブラックを基調にローズウッドとカーボンをアクセントとしたシックなイメージで構築。バケットシートをSDRのレザーシートカバーで覆ったり、FRPドアにわざわざ純正内張りを付るなど、高機能をあえて隠すモディファイが施されているのだ。
エクステリアもしかり。NAのアンダーパワーをフォローするためにFRPドアパネルやアクリルウインドウを採用して100kg減を達成しているが、そうしたレーシングアイテムの存在を感じさせずに街に溶け込めるスマートさを徹底追及。ステッカーすら貼られていないのは、オーナーの拘りによるものだ。
一見シンプルなドレスアップマシンかと思いきや、その実はNAの可能性を追及する通好みの真面目なチューンドというわけだ。