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ノスタルジーな雰囲気に魅かれて・・・
親子ともども左ハンドルのZを所有!
爽やかな笑顔で撮影に応じてくれた横手さん親子。二人が愛して止まないのがフェアレディZだ。父がS130、息子がS30を所有し、情報交換しながら旧車ライフを楽しんでいる。ちょっと面白いのが、カーライフについては息子の健さんが主導権を握っていること。Zにどっぷり浸かるきっかけについても然りだ。
「初めてZのことが好きになったのは小学生の頃ですね。当時は野球をやっていて、バッティングセンターにあった『湾岸ミッドナイト』のアーケードゲームではいつも悪魔のZを選んでいました。それに当時は、全日本GT選手権のテレビ番組を見ていてZを応援していましたね」と健さん。ロングノーズ&ショートデッキというスポーツカーの王道スタイルは、子供心にも純粋にカッコ良く見えた。
偶然にも、高校への通学路にはフェアレディZ専門店“アルティメイト”があった。その店頭にいつも飾られていたのが、現在、健さんの愛車となっている左ハンドルのS30だったりする。販売されているのかも分からなかったが、大学3年生の時、父親の新次さんを誘ってお店を訪れた。
「代表の高賀茂さんに聞いてみると、S30の中でも希少な初期型ということが分かりました。もうこのクルマしかないと思いましたね。就職するまでお金を立て替えてくれ…と父にお願いして、S30を購入することにしました」と振り返る。
主治医であるアルティメイトでレストア済みとあって、車両は年式を感じさせないコンディションの良さ。オリジナルの雰囲気を損ねない範囲でカスタマイズを楽しんでいる。「外観はほぼノーマルですが、UK純正オプションのチンスポのみ装着しています。ネットオークションで見つけたもので、オヤジと一緒に穴を開けて装着しました」とのこと。
エンジンはL24改2.8L+SUツインキャブ仕様だったが、軽快な吹け上がりを求めてキャブレターをソレックス44φに変更。アルティメイトの高賀茂さんに教えを乞いながら、キャブセッティングもマスターした。さらに気持ち良く乗れる仕様を目指し、現在はアルティメイトにてL28型改3.1L仕様のエンジンも製作中だ。
エキマニはワンオフ製作した等長タイプを採用。ストレスのない吹け上がり&サウンドに生まれ変わったという。マフラーはフジツボの縦デュアル出しだ。
レカロシートをベースに当時風の表皮に張り替える。ステッチの入れ方や通気孔の入れ方もこだわった。ミッションは71A(4速)から71B(5速)に変更し、シャキッとしたシフトフィールに。海外製の後付けクーラーも装備する。
ブレーキ性能に不安があったため旧車乗りの定番、MK63キャリパーに変更。足回りはBILSダンパーに強化スプリングの組み合わせ。ホイールはボルクレーシングTE37Vの2018年限定モデル。イメージ通りの色合いと言う。
アメリカの通販サイトeBayで見つけて、健さんが父・新次さんのために個人輸入したというS130。アルティメイトの助けもあり排ガス検査も無事にクリア。子育てなどで長らくクルマ遊びから遠ざかっていた新次さんにとって、久しぶりに所有するスポーツカーとなった。
手に入れたのはインジェクションのノーマル車。元々、AT車だったというが71C(5速MT)に換装。その後、オーバーヒートしてガスケットが抜けたため、リフレッシュも兼ねて亀有エンジンワークスの鍛造ピストンや東名パワードのハイカムを組み込んだL28改3.0L仕様へとアップデートした。
「まだ慣らしも終っていませんが、低速トルクもあるし、インジェジェクションなので快適に走れます」と新次さん。
スチール製エキマニ+亀有エンジンワークスマフラーで排気チューンも抜かりなし。ちなみにベースは前期型だが、後期用の外装パーツもストック済み。
長距離ドライブでも疲労が少ないレカロシートは、ボディカラーに合わせてホワイト/ブルーのツートン仕様に張り替え済み。
足回りは他車種用のストラットを流用した上で、前後とも車高調&R32純正キャリパーで強化。ホイールはワークエモーションCR-01の16インチをチョイスする。
「若い頃はKP61やランタボなど乗り継ぎましたがS130は高嶺の花でした。なによりスタイルが良いし、エアコンやパワステ付きで快適なのも気に入っています」と、息子からの粋な計らいに笑顔をみせる新次さん。Zという共通の話題を通じ、親子の絆がますます強まっていることは間違いない。
PHOTO:市 健治